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煌
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 徳間書店 |
発売年月日 | 2017/07/07 |
JAN | 9784198644352 |
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商品レビュー
3.7
4件のお客様レビュー
『耳がきいんと鳴っている。 煙が切れて、源兵衛の目に夜空が映った。 片瀬さま、ごらんいただけましたか。 訊ねかける声は、そのまま天へ吸い込まれていく。 深い闇が、ただ広がっている。 返ってくる声がなくても、己はこれからも声を送り続けることだろうと源兵衛は思った。 そうやって、この...
『耳がきいんと鳴っている。 煙が切れて、源兵衛の目に夜空が映った。 片瀬さま、ごらんいただけましたか。 訊ねかける声は、そのまま天へ吸い込まれていく。 深い闇が、ただ広がっている。 返ってくる声がなくても、己はこれからも声を送り続けることだろうと源兵衛は思った。 そうやって、この先も歩いていくのだ。胸に生きる、友とともに。 文 安政二年(1855)』 花火に纏わる時代小説短編集。 冒頭の一編からぐるっと最後につながっていく。 東北大震災の被災者への思いが書かせたのだろう。泣けた。
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短編の時代小説集。女性の描写が絶妙で、どの作品にも花火がキーアイテムとして出てくる。 楽しく読めた。
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共通の小道具は花火。江戸初期から後期までを時系列に、舞台も豊橋から日本のあらゆるところを巡ってまた豊橋に戻ってくるような短編集。 ベタな市井人情ものの器をしているが、行間を読ませるというか、心の機微を探らせるような文章が良い。ざっと流して「あぁエエ話やねぇ」では終わらせないのだ。 例えば、長崎の出島を舞台にした「山の灯」。主人公は阿蘭陀行と言われる遊女。出島のオランダ人相手に現地妻となる遊女が長く滞在すればするほど遊郭は儲かる仕組みなんだが、何故か遊女は最低限の滞在期間2泊3日で遊郭に帰ってくる。決して相手に嫌われている様子はないのに何故なのか?その辺の機微が良い。さらにその微妙な心の描写が苦味が残るラストに響いてくる。切ないよなぁ~ 単純なハッピーエンドはない。でも何故か後味は悪くない。エグ味の強い山菜を上手に調理して爽やかな味に仕立てたような、そんな短編を集めた作品集である。
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