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蔵書一代 なぜ蔵書は増え、そして散逸するのか
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蔵書一代 なぜ蔵書は増え、そして散逸するのか

紀田順一郎(著者)

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蔵書一代 なぜ蔵書は増え、そして散逸するのか

定価 ¥1,980

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 松籟社
発売年月日 2017/07/01
JAN 9784879843579

蔵書一代

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商品レビュー

3.8

8件のお客様レビュー

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2023/10/08

 一個人が本を集めるということは、やがてその人が年老い、死んでいったあと、その多量の本をいったいどうするのか、という問題を抱え込むことでもある。著者は作家として多量の資料を収集しながら、住まいを変え、図書館も併用し、蔵書を他者にも閲覧可能にするようなシステムも考える。だが結局、八...

 一個人が本を集めるということは、やがてその人が年老い、死んでいったあと、その多量の本をいったいどうするのか、という問題を抱え込むことでもある。著者は作家として多量の資料を収集しながら、住まいを変え、図書館も併用し、蔵書を他者にも閲覧可能にするようなシステムも考える。だが結局、八十歳のあるとき、膨大な蔵書を処分することを決断する。  私も、身内から「図書館を使えばいいじゃん」「トランクルームとか使えばいいじゃん」と言われるけれども、それではできないことがある。というか生きている意味がない。常に身の回りに本がないと、生活がなりたたない。でも、自分が近い将来死ぬまでに、この本をなんとかしなければ、とも常に思っている。図書館に寄贈?いや、受け付けられないだろう。古書店に売却?買い手がいないだろう。じゃあこの多量の古紙をいったいどうすればいいのだろう。とはいえ、まだ、生きているうちは、私にとっては有益な古紙だ。とことん読んで、とことん楽しもう。

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2020/06/04

著者が、自分の蔵書の管理のために岡山に引っ越しながらそれがうまくいかなかったということを聞いたので、その顛末を知りたくで読み始めた。 個人の知的活動を自身の蔵書に依存するというのはこの国でよく見られる現象。図書館の弱さとも関連はあるだろうけど、それだけでもないような気がする。

Posted by ブクログ

2019/03/24

実はこの週末、実家に溜め込んだ本を整理していた。旧作・新作を 問わずノンフィクションばかりを読んでいるので、リサイクル書店 には売れないので、ネットで探し当てたノンフィクションに強い 古書店に買い取りを依頼した。 読み終わった本は手元に置いておきたいので、極力、図書館は...

実はこの週末、実家に溜め込んだ本を整理していた。旧作・新作を 問わずノンフィクションばかりを読んでいるので、リサイクル書店 には売れないので、ネットで探し当てたノンフィクションに強い 古書店に買い取りを依頼した。 読み終わった本は手元に置いておきたいので、極力、図書館は利用 せずに自分で購入するようにしている。だが、よくよく考えると 私に万一のことがあった場合、わずかばかりではあるが溜め込んだ 本を受け継ぐ者がいないのだ。 なので、近年はある程度本棚から溢れそうになるとせっせと処分 するようにしている。でも、やっぱり未練は残るのよね。 ただの読書好きでもこの始末。それが研究者や著述家となったら、 蔵書の処分は断腸の思いだろう。 逃れられない老い。共に老いた妻とふたりの年齢に相応しい暮らしの 為に3万冊の蔵書を600冊にまで減らさなければならなくなった著者 の体験談と、蔵書に関する考察が本書である。 切ないわぁ。あの紀田氏さえ長年愛蔵した蔵書の生前整理をしなくて はならないなんて。そりゃ、蔵書を積んだトラックを見送る際に足元 がマシュマロのように柔らかくなり、路上に崩れ落ちちゃうわよ。 戦前整理でなくとも研究者や著述家が亡くなると、残された家族に とっては大量の蔵書をどうするかの問題が持ち上がる。 一括して引き受け、保存・閲覧に供してくれる施設があればいいのだ が、現在の日本では相当に難しいという話に「この国は文化衰退国 だな」と感じた。 本にしろ、DVDやCDにしろ、フィギュアなどにしろ、集めた本人 以外には「ゴミ」でしかなんだよな。蔵書も含め、コレクションは すべて一代限りなのかもしれない。

Posted by ブクログ