風の向こうへ駆け抜けろ 小学館文庫

古内一絵(著者)

• 販売会社／発売会社: 小学館
• 発売年月日: 2017/07/06
• JAN: 9784094064285

商品レビュー

2024/08/06

私はジョッキーになる。
瑞穂は騎手免許試験に合格し、広島にある鈴田競馬場の騎手として働くことになった。胸を踊らせて行ったが、待っていたのは高齢や臆病な競走馬と曲者揃いの人達。
　瑞穂は同期が次々と勝利をあげるなか思うような成績をあげられないでいた。しかも、厩舎で良い成績を出せるような馬が馬主の意向ですべてひきあげられたのだ。調教師の緑川のツテで新しい馬を手に入れたが黒い体に白い顔、蒼い目の異彩を放つ馬だった。なかなか気が荒く乗ることも出来ないが、気が強い馬は強いという言葉通りに類稀なる力を発揮する。そして、一生に一度の三歳牝馬のGIレースに出場する。

　自分の与えられた仕事とやりたい仕事は違う。どうやって折り合いをつけるのか。過去はけせないが今をどうやって生きるのか。馬と人が一緒に成長する様子を体験できる一冊。

2024/07/27

競馬界はよくわからないけれど、
なんとなく華やかなイメージがありました。
けれど、リアルに書かれた本だけあり
実際にはやはり、どの業界にもあるドロドロした、しがらみや妬みの方が多くマスコミに踊らされたり、馬が辛い目にあったり
少し辛い気持ちになってしまう場面もありました。
この物語は、数少ない女ジョッキーが少しづつ心も技術も成長していく物語です。
卒業して地方の厩舎でジョッキーとして雇われた瑞穂は、
少しづついろいろな傷をもつ
厩舎のスタッフたちとぶつかりながらもみんなで厩舎のピンチを回避するため奮闘する物語です
そこで出会った運命の馬
フィッシュアイとの心のやりとりは本当に素晴らしく、みんな騎手と馬との関係がこうであればと
思いました。
最後は爽やかにスッキリした終わりかたでとても読み心地が良かったです。
あまり知らなかった世界を垣間見ることができて
今度ぜひ
一度競馬場に行ってみたいなぁと思いました。

2024/06/21

競馬に詳しくないので、競馬のお話し面白いのかなと思って読んでみたら、ハマッてすぐ読み終えました。

地方競馬の女性騎手と、馬たちと、その周りの人達の話で、読んでいてドキドキ、笑いあり涙ありでした。色々な人間模様や競馬のレース展開など、丁寧に描かれていて、情景が目に浮かぶようでした。