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歌行燈 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2017/06/17 |
JAN | 9784003600283 |
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歌行燈
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『東海道中膝栗毛』になぞらえながら旅をする愉快な老人ふたり。ふたりの乗った人力車は旅芸人の横を通り過ぎる。その旅芸人は酒をあおりながら告白する。 「私はね…お仲間の按摩を一人殺しているんだ。」 一方、近くの宿に泊まった老人ふたりは、座敷に呼んだ芸妓の身の上話に耳を傾ける。 『膝...
『東海道中膝栗毛』になぞらえながら旅をする愉快な老人ふたり。ふたりの乗った人力車は旅芸人の横を通り過ぎる。その旅芸人は酒をあおりながら告白する。 「私はね…お仲間の按摩を一人殺しているんだ。」 一方、近くの宿に泊まった老人ふたりは、座敷に呼んだ芸妓の身の上話に耳を傾ける。 『膝栗毛』を引用した軽妙な出だしから一転、月明かりと町の行燈のもと、旅芸人と芸妓の語りが交錯する。文章も美しくリズミカルで、鏡花ならではの耽美的な作品。自然主義全盛の時代にありながら、自らの作風を貫いた泉鏡花の代表作。
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黙って読むというよりは声に出して読みたい作品だ。ただやっぱり註釈のページとパタパタしながら読み進めたので、本の薄さの割に時間がかかった。 自然主義真っ盛りの明治中期にまったくそぐわない戯作的な味わいでありつつ、2ヶ所で展開されていた話がひとつに交わるカタルシスが組み込まれている...
黙って読むというよりは声に出して読みたい作品だ。ただやっぱり註釈のページとパタパタしながら読み進めたので、本の薄さの割に時間がかかった。 自然主義真っ盛りの明治中期にまったくそぐわない戯作的な味わいでありつつ、2ヶ所で展開されていた話がひとつに交わるカタルシスが組み込まれているのだから、やはり技巧的な明治の作家の仕事だ。
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「傍に柔かな髪の房りした島田の鬢を重そうに差俯向く……襟足白く冷たそうに、水紅色の羽二重の、無地の長襦袢の肩が辷って、寒げに脊筋の抜けるまで、嫋やかに、打悄れた、残んの嫁菜花の薄紫、浅葱のように目に淡い、藤色縮緬の二枚着で、姿の寂しい、二十ばかりの若い」芸者 修飾語! 一...
「傍に柔かな髪の房りした島田の鬢を重そうに差俯向く……襟足白く冷たそうに、水紅色の羽二重の、無地の長襦袢の肩が辷って、寒げに脊筋の抜けるまで、嫋やかに、打悄れた、残んの嫁菜花の薄紫、浅葱のように目に淡い、藤色縮緬の二枚着で、姿の寂しい、二十ばかりの若い」芸者 修飾語! 一回めはとりあえずもう意味がわからないまま読み切った。二回めでびっくりするくらい飲み込めた。そしてこれが代表作の一つと言われているのも納得できた。ただ、やっぱり難しい。特に今作は能と『東海道中膝栗毛』が話の骨子に深く組み込まれていて、どちらにも知識を持ち合わせぬ者はそれだけで気後れがする。実際読んでみると、別に能も膝栗毛も知らないが筋はわかる。わかるが、知っていると恐らくもっと深く味わえるのかなとも思う。
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