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二千七百の夏と冬(上) 双葉文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 双葉社 |
発売年月日 | 2017/06/14 |
JAN | 9784575520064 |
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二千七百の夏と冬(上)
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商品レビュー
3.5
24件のお客様レビュー
現在と縄文時代を行ったり来たりでお話が進みます。 最初はちょっと読みにくそうな本かなと思いましたが、話が進むうちに引き込まれていきました。 現代で見つかった二体のミイラの出会いのお話です。
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弥生時代(縄文時代)を舞台にした小説は少ない。荒唐無稽な物語は別として、文字資料が残っていないので、歴史小説として描きにくいからだろう。それでも私は、私がいつか描きたいという野心があるので、出来るだけ読んできた。 でも、このブクログ登録した小説だけでも、読むと多くは失望した。 ...
弥生時代(縄文時代)を舞台にした小説は少ない。荒唐無稽な物語は別として、文字資料が残っていないので、歴史小説として描きにくいからだろう。それでも私は、私がいつか描きたいという野心があるので、出来るだけ読んできた。 でも、このブクログ登録した小説だけでも、読むと多くは失望した。 「吉備大王の物語」(藤井正)、「古事記外伝」(多羅尾整治)、「女王」(連城三紀彦 厳密にいえば歴史小説ではないが著名作家にしてはトンデモ作品だった)、「夢追いて卑弥呼」(虎尾幹司) 一部合格作品は 「縄文4000年の謎に挑む 福島市宮畑ミステリー大賞作品集」(素人作品ながらレベルは高い)、「日御子」(箒木蓮生) でも1番刺激をもらったのは、日本の話ではなく、3万5千年前の西欧の話「エイラ地上の旅人」シリーズ(ジーン・アウル)である。科学的な知見は尊重しながら、1人の少女の一生がクロマニョン人の誕生・変革そのものを表し、かつハラハラドキドキがあり、恋愛あり、何よりもエンタメ作品として成立していた。唯一の弱点は、語ることがありすぎるのか、シリーズ後半は冗長になったことである。 さて、本書はどうだろう? 上巻は、この物語のプロローグだと思う。まだ物語としては始まってないよね? BC8世紀の北関東の1つの縄文人ムラの少年(15才から16才へ)ウルクの話である。これからどうやら縄文ミーツ弥生という話になるらしい。 流石、直木賞作家の古代小説。科学的知見に関してはツッコミ所が見当たらない(←エラソー。ごめんなさい)。その上で、作家的な想像を膨らませて「創り込んでいる所」が多々ある。 ◯数の数え方は独創的。20までしか数の単位はないが、一般的長さは、親指と人差し指の間で「1ヒラ」(17.5センチ)と単位名をつけていた。因みにウルクは森の中で四つん這いの肩高が8ヒラ(140センチ)を超えている熊に出会う。月の輪熊でそんな大きな熊はいないから、仲間に笑われる。しかしそれはとんでもない熊、ヒグマだった。 ◯名前の付け方は苦労している。イー→猪、カァー→鹿、ヌー→犬、オホカミィ→狼、クムゥ→熊(月の輪)、ミミナガ→ウサギ、キナリ→蝉、コーミー→米、海渡り→渡来人(未知のヒトという意味もある)、オチュコチョ→セックス、鼻曲り→鮭、最初わからないが、しばらく読むとわかる様に工夫している。 ◯抜歯の習慣・意味付けは、考古学成果をふんだんに活かしている。ムラ中の階層、成人儀式という意味合いも持たせながら、少年が物凄い痛みに耐えている時に「歯抜きというのはきっと、さんざん獣を殺し、肉を喰らい、骨や腸を道具や飾り物にしてきた報いを受け取ることなのだ」と悟るのは、とても新鮮な発見だった。そういうアニミズム社会に生きる人間特有の心得を獲得する「意義」もなければ、何千年もこんな生産性のない事、続かない習慣だよね。 ◯「生肉と焼き肝な服」→「贅沢な服」、「鳥の巣に卵」→「たぶん」、「夏の羽這え」→「げんき」等々彼らにしか通じない「ことわざ」言葉を「創作」している。 ◯縄文人の生活は、神送りの儀式等含めて、かなりの部分をアイヌの民俗を参考にしている模様。 ◯狩猟生活の知恵は、現代マタギの知恵をかなり借用しているのではないか。 ◯土偶の意味を「女たちが子はらみやオチュコチョを教わるために持たされ、嫁に行ったり婿を迎えた後も、子どもを無事にたくさん産める守り手として手元におく女人形だ。本人が死んだり、子を産まない年になったり、子どもが死んで生まれたりすると、何処かを壊し、祈ってもらってから、本体と壊したかけらを出来るだけ離れた場所に捨てる」と説明していた。もちろん、定説ではない。が、最もよく言われている説をきちんと説明している。 ◯裂け石(黒曜石)〈ナイフや矢尻等用途は貴重〉を採取する時、川の神に感謝を示すために水面に唾を吐く。 ◯ヌペ(ドングリ)はアク抜きをして粉にして日常的にお粥にして食べてはいるが、貧しい食べ物という設定になっている。 ◯ただ、秋になると男たちは日常的に果実酒を昼日中ずっと飲んでいるし、魚喰い(海人)との交易場面では盛大な酒盛りをしていて、いくらなんでもそこまでの酒量は確保できないのではないか?と疑問に思った。しかし、平安時代ぐらいになれば果実酒は一切登場しないが、縄文時代は確実に作られていたことがわかっている。問題はどの時代から何故消えたのか?ということである。 ここ迄は良い。 これからドキドキハラハラのエンタメ小説になるのを待ってる! 下は、これから取り寄せて読むつもり。 misachi68さんのレビューで存在を知った。ありがとうございます♪
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レビューをみて読んでみた。この作家さんとは相性が合わないのだろう。読み進めても引き込まれない。縄文人の生活、暮らしぶりを書いているんだけど、自分の想像と違う展開でしかも情景が浮かんでこない。情景より心情を書いているからなのだろうか。 禁忌の森に入った主人公、5歳で父親を亡くし、弱...
レビューをみて読んでみた。この作家さんとは相性が合わないのだろう。読み進めても引き込まれない。縄文人の生活、暮らしぶりを書いているんだけど、自分の想像と違う展開でしかも情景が浮かんでこない。情景より心情を書いているからなのだろうか。 禁忌の森に入った主人公、5歳で父親を亡くし、弱い者として扱われていたが罰のため村から追い出される。海渡りとコーミーを探して旅に出るがそこで主人公が成長していくのが下巻なのかな??
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