カセットテープ時代(Part2) 懐かしのカセット、ラジカセ、FM雑誌 CDジャーナルムック

音楽出版社(その他)

• 販売会社／発売会社: 音楽出版社
• 発売年月日: 2017/05/01
• JAN: 9784861711664

商品レビュー

2018/01/13

最近はアナログレコードを持ち込んで聴ける代々木のバーが人気だったり、
テレビやラジオで福山雅治や星野源が
レコードやカセット愛を語り、
TUBEやでんぱ組.incが新曲をカセットでも発売したり、
ももいろクローバーZがシングルをレコードで発表したり、
aiwaやTechnics、オーレックス、サンスイなどの懐かしのオーディオブランドのここに来ての復活などなど、
アナログブームと言っていいのか、
デジタルに対してのアンチテーゼとして
カセットテープという昔一世を風靡した媒体がまた盛り上がりを見せてます。

さて、今の若い人たちに
何故カセットテープが受けたのか？

それはカセットテープ特有の
デジタルより丸みや陰影のある温かな音。

CDのような高音シャリシャリに馴れた耳には
カセットテープの音はすごく新鮮で
安らぎや親近感を覚えるのも成る程って感じですよね。

僕らの青春時代は自分の好きな曲やドライブに合う曲を編集したお手製のカセットテープを
好きな人にプレゼントしたり(笑)、
(今考えると顔から火が出るくらいこっ恥ずかしいんやけど…)

息を止めるくらい集中してFMからいい曲だけをエアチェックで録音したり(笑)、
(お金がなくアルバムを買えない人たちはラジオから曲を録音するのが定番で、今から考えたらすごいことだけど、アルバムの曲を全曲流す番組もFMにはあったくらいです)

レタリングシートを使って曲名をお洒落に印字したり、雑誌から切り抜いた写真をジャケット代りに付けたり、
曲途中に片面が終わったりせず収録時間目一杯入るように曲順を工夫したり、
一本のカセットテープを作るためにいろいろ苦労した分、
出来上がったテープには愛着が湧くし
そりゃあ思い入れも半端ないわけです(笑)

また当時はそういう思い出もワンセットで音楽を聴いていたので
一曲一曲が心の歌となって、記憶に深く残るんですよね。
(今より昔の歌がいいと言いはる年寄りが多いのもそういう聴き方の違いという理由が少なからず関係してると思います笑)

あとカセットテープのもう１つの大事な特徴として
基本、曲をスキップできないため、アルバムを録音すれば頭から順に聴くことになります。
(嫌な曲があっても飛ばせないのです)

収録された曲をアルバムの順番に聴くことによって初めて
アーティストの込めたメッセージが100パーセント聴く側に伝わる。

つまり、作り手側からしても
思いがダイレクトに伝わるツールでもあるのです。
(今のアーティストたちがカセットテープで曲を発売する１つの理由でもありますね)

とここまでいいところばかり書いてきたけど、
ところがどっこい！

夏場や車の中だと暑さにテープが伸びてしまい二度と聴けなくなったり、
(これはかなり高確率でありました。苦労して作り上げたテープがボツになった時の悲しさときたら…泣)

再生機のピンチローラーにテープが絡みついてお気に入りのテープを泣く泣くハサミで切ったり(笑)
(勿論これもそのテープは二度と聴けません！)

実際問題、不具合や欠点も多いんだけど、
便利に慣れすぎた平成生まれの人たちには、いちいち片面が終わるとテープをひっくり返したり、曲編集に時間がかかったり、手書きで曲名を書かなきゃいけなかったり、
そんなめんどくささや手間がかかることこそが、実は魅力だったりもするのかな～なんて思います。

…と製作者側の思うツボなのに、こういうオッサンホイホイ的な本に即反応してしまう阿呆な自分…。

まぁとにかく、音楽を聴くことが楽しくなるカセットテープの手づくり感(今風に言えばD.I.Y感覚かな)を
当時を知らない人にぜひ一度は経験してみて欲しいな～。

https://youtu.be/IF6su5tRa40
⬆
TDK、Maxell、Technics、SONY、AXIAなど79～89年のカセットテープCM集