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錬金術の終わり 貨幣、銀行、世界経済の未来
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 日本経済新聞出版社 |
| 発売年月日 | 2017/05/01 |
| JAN | 9784532357313 |
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錬金術の終わり
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ー 何世紀ものあいだ、貨幣と銀行は金融の錬金術だった。それは強さの源泉とされていたが、実際には、資本主義経済のアキレス腱だった。貨幣と銀行、そしてグローバル経済という制度を長い歳月をかけて改革するには、知的な革命が不可欠である。2007~9年の金融危機後、ほとんどすべての先進工業...
ー 何世紀ものあいだ、貨幣と銀行は金融の錬金術だった。それは強さの源泉とされていたが、実際には、資本主義経済のアキレス腱だった。貨幣と銀行、そしてグローバル経済という制度を長い歳月をかけて改革するには、知的な革命が不可欠である。2007~9年の金融危機後、ほとんどすべての先進工業国が停滞を克服できないでいるのはなぜか。それは個人の失敗か、それとも制度の失敗か、あるいは思想の失敗なのか。それが本書のなかで投げかけた根本的な疑問である。しかし、そのなかでいちばん大きいのは思想である。 錬金術は終わり、経済の停滞は克服できないままだ。モーゲージも預金を元手にした融資もレバレッジも、そもそも労働に値札をつけ、造幣する行為自体が錬金術とも言えそうだ。しかし、人は今より2倍の量を食べるようにはならないし、人口も増えないならば、いずれ、需要は頭打ちになるから、経済成長を期待し続けるのは幻想だ。消耗品を更新しながら、グローバルに価値が平準化されていく。金融を回すのは信頼ではなく、結局は実力の査定に過ぎない。そして、不幸な事に、銀行が破綻するとしてもその予測はできず、また、破綻しても無傷という開き直りのような仕組みが、しかし、大衆の幸福に繋がるというパラドクスがある。 ー フランク・ナイトはこう述べている。「こうした決断の究極のロジック、あるいは心理ははっきりとしない。科学では解き明かせない人生と人間心理の謎の一つである。私たちはただ単に、物事をある程度正しく判断する知的な動物としての「能力」、すなわち直感的な価値観に頼っているにちがいない」。対処戦略は、その解き明かせない謎を攻略する一つの手段である。人間は複雑な数理最適化問題を解くようにあらかじめブログラムされていない。なぜなら、どの問題を解く必要があるかを前もって知ることは不可能だからだ。しかし人間は、学習して適応するようにブログラミングされている。対処戦略は不確実な世界に適応するための自然な反応であり、遺伝子に組み込まれているものかもしれない。ギーゲレンツァーの表現を借りるなら、対処戦略は「環境合理的」である。つまり、対象とする環境にぴったり合った意思決定のプロセスなのだ。その意味では、根源的な不確実性がある世界では、人は最適化行動をとるとする経済学者の前提よりも合理的である。対処戦略を構成する要素は三つある。問題を最適化行動として扱えるものと扱えないものとに振り分ける「カテゴリー化」、後者の問題群(クラス)に対処するための経験則である「ヒューリスティクス」、そして「ナラティブ」だ。一連のヒューリスティクスは、クラス内のさまざまな問題に対処する一つ、あるいは複数の経験則からなるときもある。個々のヒューリスティックは、行動を最適化するために使われる情報の大部分を無視して、すばやくおおまかな意思決定をする経験則である。ヒューリスティックはそれが使われる環境だけに通用する。ナラティブは、非常に重要な情報が織り込まれているストーリーである。どのヒューリスティックを使うかを選択する土台となり、意思決定をする動機を与える。
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