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不道徳な見えざる手 自由市場は人間の弱みにつけ込む
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 東洋経済新報社 |
発売年月日 | 2017/05/12 |
JAN | 9784492314982 |
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不道徳な見えざる手
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商品レビュー
3
9件のお客様レビュー
やたらと経済における「物語」「レトリック」の釣りがでてくるのはオモチロイ。こっからナラティブ経済につながるのか
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
帯の『ノーベル賞受賞者による衝撃作!』に大分釣られました笑。 私はそこまでの衝撃は感じませんでしたが笑、非常に”大人な”、バランスの取れた経済エッセーであると思います。ただ、全体的にはロジカルというわけでなく、事例集・論説集の雰囲気です。 本作は、(時に詐欺的ですらある)釣りという行為(合法的な引っ掛け!?)を切り口に、人が必ずしも合理的な選択・自己の厚生の最大化をもたらす選択をするわけではないという点にフォーカスし、警鐘を鳴らします。 ポテチは体に悪いとわかっているのに食べてしまう、広告側も消費者のニーズの有無ではなく欲求を喚起し購買をそそのかす等々。自由主義の下では、合法であるものの道義的に疑義がつきかねない事も広告や政治の世界で起こることを例証しています。 他方、こうした非合理的な選択ができる自由主義的社会を社会主義よりも評価し、穏健かつ進歩主義的な社会観を唱えているように見えます。確かに完全ではない自由主義だが(だます自由?だまされる自由?)、社会主義と比較すれば全体の厚生ははるかに大きく、それ故に・だからこそ(一定の厚生を維持し行きすぎがないよう)規制当局による公的な制限は必要だとしています。もちろん営利企業やロビー活動により規制当局が篭絡されたり、上部組織から圧力がかかることもあるでしょう。それでもなお、厚生という観点からだと自由主義が良いと言っているように聞こえます。 このように見ていくと、経済学は、経済モデルの構築や経済そのものの分析という従来の本分から、その経済のメインアクターである人間へと関心を移らせているように感じます。 自由主義はもはや完璧ではなく、またその不完全さや寛容こそが厚生を増大させる(自動車の普及、インターネットの普及、グローバリゼーション等々)とすると、そうした不完全な社会でもベターな制度やあり方を模索するのが学としての経済学の本分になるかもしれません。ただ、個人的にはそうした社会の在り方もさることながら、先生方は不合理な選択をしてしまう人間の性に関心が移ってきているようにも見えます。 ・・・ さて纏めますと、この経済エッセー(と呼ぶには分厚い)は、内容的も面白く、筆者の人間的な円熟味が感じられる本であると思います。時間が取れる方、人間の非合理的側面に興味のある方、金融や経済に興味がある方にはおすすめできそうです。ただし、専門的な内容も多くややわかりづらく、また専門家的には新たな事実はないとのことです笑(解説参照)。
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自由市場が最大の経済的利益をもたらす原則を見直すべきだということをノーベル経済学賞受賞者であるジョージ・アカロフ氏とロバート・シラー氏が警鐘を鳴らした書。標準的な経済原理の一般均衡と同様に自由市場には粉飾と詐欺が発生する「つり均衡」が成立するとしている。重要な指摘だと思われるが、...
自由市場が最大の経済的利益をもたらす原則を見直すべきだということをノーベル経済学賞受賞者であるジョージ・アカロフ氏とロバート・シラー氏が警鐘を鳴らした書。標準的な経済原理の一般均衡と同様に自由市場には粉飾と詐欺が発生する「つり均衡」が成立するとしている。重要な指摘だと思われるが、とにかく読みづらい、訳のせいかと思ったが、訳者が特に翻訳にあたって困難な部分はなかったと言っているので、原文がわかりにくのかもしれない。したがって、一般大衆が粉飾と詐欺を回避する方法はわからず、一般大衆はただ手をこまねいて見ているだけしかない、身も蓋もない結論になる。政府の役割をもっと評価すべき(政府の規制が過少である)、と主張しているが、歴史的水準の公的負債に苦しんでいる日本からすると鼻白む思いである。
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