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物語論 基礎と応用 講談社選書メチエ647
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 講談社 |
| 発売年月日 | 2017/04/01 |
| JAN | 9784062586504 |
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物語論 基礎と応用
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商品レビュー
3.6
15件のお客様レビュー
この本を、というよりは物語論を、少々誤解していたのかもしれない。 かねてから物語論に興味があり、筒井康隆の『文学部唯野教授』、中公新書の「批評理論入門『フランケンシュタイン』解剖講義」と読んでみて、引き続く形でこの本も読んだ。 ぼくとしてはカグヤ型とウラシマ型の貴種流離譚や「行...
この本を、というよりは物語論を、少々誤解していたのかもしれない。 かねてから物語論に興味があり、筒井康隆の『文学部唯野教授』、中公新書の「批評理論入門『フランケンシュタイン』解剖講義」と読んでみて、引き続く形でこの本も読んだ。 ぼくとしてはカグヤ型とウラシマ型の貴種流離譚や「行きて帰りし物語」みたいな、昔話チックな物語のアーキタイプを知りたかったのだが、物語論はどうやらそういう学問ではないようだ。 どうも気づくのが遅すぎた。ユング心理学やキャンベルの比較神話学でも読んだ方がよかったらしい。 そうではなく物語論の本なので、中公新書のもこの本も叙述の速度や視点、人称といった、専ら物語の形式的な面についての分析に終始していた。 ぼくとしては、言われなくても多少はわかる、かつそれ以上に緻密に分析する必要もないことを長々と解説されているようでいまいちノれず。 しいて言えば、プロップやバルト、ジュネットといった理論家の名前を示してくれる点で、中公新書の方よりこちらの方が親切ではあった。物語論という学問の変遷(といっても、現在まで通用しているのはほとんどがジュネットの功績のようだったが)が掴みやすく、同時にこれで本当に全部なんだろうなという感じもした。 そんな感じだった基礎編に続く応用編は、具体的な小説や映画、漫画、アニメの物語論的な分析。 こちらも個人的には、形式面への目配りはもちろん効いているものの特別なメソッドとまでは思えず、いわゆる印象批評とそこまで大きな差は感じられなかった。 ただラテンアメリカ文学や中国文学など、変わり種の作品をいろいろ知れたのは僥倖。いくつかは追い追い読んでいければと思う。
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■細目次 https://gyazo.com/fa098f277bc37c9a33f211b51c377a70 https://gyazo.com/0269bdc488ca9b80e8a6dd01440d61f0 https://gyazo.com/5a05c1c94f14836e86a6106b0186488f
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「第一部 理論編」では平易な言葉を用いて、物語論が生まれた経緯とその理論についての概説がされている。 「第二部 分析編」では外国文学やアニメ、映画といった多様な作品に対して、物語論の理論を用いた分析をしている。 前半の理論編は物語論の全体像を概観するのとができ、専門書へ踏み込...
「第一部 理論編」では平易な言葉を用いて、物語論が生まれた経緯とその理論についての概説がされている。 「第二部 分析編」では外国文学やアニメ、映画といった多様な作品に対して、物語論の理論を用いた分析をしている。 前半の理論編は物語論の全体像を概観するのとができ、専門書へ踏み込む前の導入として優れていると思う。 後半の分析編では、文学作品に限らず人間が生みだしたものは基本的に物語として分析できることを示している。 本文引用 p258「物語論では、作者の意図が無視されているとよく言われる。しかしこれは誤解である。構造主義時代の物語論でも、無視されたのは『完全に作品を決定できる存在』としての作者である。作者の意図なるものを解読し、作り出すのは読者の側だと考えたのであって、まったく無視したのではない。」 p268「思うに物語というのは、人間の観念による構築物である。現実は物語的に把握され、物語は把握され、物語は把握された現実のように表象される。換言すれば、それは現実認識を抽象化し、普遍化したものである。現実は私たちの感情に作用するが、物語よ読み手の感情に作用する。それも、抽象化され、普遍化されている分、時には現実以上の作用をおよぼすのである。」
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