BUTTER

柚木麻子(著者)

• 販売会社／発売会社: 新潮社
• 発売年月日: 2017/04/21
• JAN: 9784103355328

商品レビュー

2024/05/19

すっかり、カジマナこと梶井真奈子の世界に入ったけれど、実際の木嶋佳苗の事件がモチーフ。
長かった…。返却期限からずるずる延ばして読むよりなかった。

どこまで木嶋佳苗の事件に寄せて描かれているんだろう。検証のため、ルポを読んでみよっと。

男を手玉にとって金を巻き上げていたというより、友だちのいない、孤独な男の世話をして懐に入り、虜にして生業を立てていた、という設定か。

梶井本人も、自意識過剰でいてとりたてて目立つ美しさがあるわけでもなく、「みんなの注目の的」と勘違いをして過去を美しく仕立てている。
ほんとは、男に気に入られることに執心して料理や家事、男のために、と頭の中はそれしかなかったと。

梶井もさみしい人間かもだよね。

自分のために料理していいって、料理教室ではっとする。当然、自分のためにおいしいもの作っていいことは私はわかる。でもそうでない人もいるね。

作中、親への葛藤に大人になってからも苛まれ続ける人多し。

2024/05/09

木嶋佳苗の事件をベースに、濃密な小説世界を構築している。容疑者に迫る取材記者の主人公が、容疑者に絡め取られていきつつ、自分を見つめ、周囲の人々を巻き込みながら（自主的に巻き込まれる人も）、呪縛を解くべくもがく姿は、悲壮というより、爽やかささえ感じる。途中暴走しすぎなきらいはあるものの、それすら受け入れさせる流れがある。体調のいい時に読むのが吉。

2024/04/26

SNSで傑作小説として紹介されていて手に取りました。

読み終わり、改めてSNSでの紹介文を読み、実話に基づいた本と認識し、びっくりしました。

食べ物の魅力が溢れださせながら異質な読了感を持つ本でした。