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モラル・エコノミー インセンティブか善き市民か
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モラル・エコノミー インセンティブか善き市民か

サミュエル・ボウルズ(著者), 植村博恭(訳者), 磯谷明徳(訳者), 遠山弘徳(訳者)

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モラル・エコノミー インセンティブか善き市民か

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 NTT出版
発売年月日 2017/03/21
JAN 9784757123588

モラル・エコノミー

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商品レビュー

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2024/04/20

本書によって、経済学の知見に依拠するインセンティブを組み込んだ政策を実施すれば、社会的厚生が向上するという「常識」が通用せず、実際にはモラルを低下させ、逆効果になり得ることを数々の社会実験によって示されたことは驚きであった。人間の利己的な側面だけでなく、利他的な部分を考慮したイン...

本書によって、経済学の知見に依拠するインセンティブを組み込んだ政策を実施すれば、社会的厚生が向上するという「常識」が通用せず、実際にはモラルを低下させ、逆効果になり得ることを数々の社会実験によって示されたことは驚きであった。人間の利己的な側面だけでなく、利他的な部分を考慮したインセンティブに基づく政策は効果的であるという実験結果もあり、社会実装にはまだ課題があるが、将来に期待を抱かせるものだった。ただ、和訳が非常に読みにくく(おそらくオリジナルが悪文)、理解に苦労した。

Posted by ブクログ

2017/07/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 ここでの新しい発想は、社会の統治の質は市民の質のたんなる集計ではないということである。良い統治とは、良い市民から構成される社会の問題というよりも、社会制度がどのように市民の間の相互作用を組織するのかという問題である。  現代の物理科学者は、マキャベリのこの発想を社会の統治の質は政治組織の創発性、すなわち、それを構成する市民たちの特性からは直接には推測されえない全体の性質であると言い換えるだろう。その場合、マキャベリにとっての良い政府とは、秩序だった社会の創発性なのである。(p.14)  倫理的かつ他者考慮的な動機は良く統治された社会にとって不可欠であり、将来においてもいっそうそうである可能性が高い。この事実を無視し、人々の行動を動機づける選好に無関心である政策は、これらの必須の性質を傷つけるかもしれない。これが、政策立案者が本部長の懲罰的なインセンティブへの消防士の反応に関心をもたねばならない理由であり、また罰金を科された後でも保育園に遅刻する親たちに関心をもたねばならない理由である。(p.34)  選好とはー誤解のないように言うとー自分の行動がもたらす結果に対する個人の評価である。信念とは、自分の実行しうる行動をその期待される結果に翻訳する、因果関係の理解である。(p.77)

Posted by ブクログ

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