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外来種のウソ・ホントを科学する
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 築地書館 |
発売年月日 | 2017/02/01 |
JAN | 9784806715337 |
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6件のお客様レビュー
在来種は正義、外来種は悪、みたいな単純な図式に一言物申すのが本書。理屈としては、なるほどなと思うし、単純化して決め付ける危うさにも気付かされる。ただ、例えばヒアリは怖いと思うし、トコジラミは気持ち悪い。嫌なものは嫌、という生理的な嫌悪感を抱えながら、結局、良い外来種と悪い外来種が...
在来種は正義、外来種は悪、みたいな単純な図式に一言物申すのが本書。理屈としては、なるほどなと思うし、単純化して決め付ける危うさにも気付かされる。ただ、例えばヒアリは怖いと思うし、トコジラミは気持ち悪い。嫌なものは嫌、という生理的な嫌悪感を抱えながら、結局、良い外来種と悪い外来種がいる!という、人類目線の浅い解釈に落ち着く。まあ、こちらは人類なので、それが限界である。益虫、害虫も人類目線であり、結局それと同じことだろう。 ー こと哺乳動物に関しては、地球上でもオーストラリアが絶滅集中地点だ。ヨーロッパ人が入植して以来、一八種が絶滅していて、これは同じ期間に世界中で絶滅した金明乳類種のほぼ半数にあたる。主な原因が、持ちこまれた捕食動物ーキツネと野生化したイエネコの子孫であるのはまず間違いない。小型で陸生の有袋類にとって、キツネやネコは、悪夢を作り上げる材料のようなものだった。中型の捕食者は、生態学でいう「中位捕食者解放」の恩恵を一身に受けたのだ。これは要するに「ネコがいなくなるとネズミが遊ぶ」という話と同じで、ただこの場合は、栄養段階がやや上がっている。世界のどんな場所でも、大型捕食者がいなくなったり減ったりすると、もう少し小さな「中型捕食者」が爆発的に増え、その餌食となる生物にとっては悲惨な結果となる。オーストラリアも例外ではなく、ディンゴの数が多い地域ではネコとキツネが少ないという証拠はあり余るほどあるのだ。 ー 太平洋の島々は、驚くほど多様なカタツムリの宝庫だ(った、と言うべきか)。ハワイ諸島だけでも九三一種のカタツムリがいた。それでなくても森林破壊のせいで多くの種が絶滅していたのに、生き残ったカタツムリたちは、ヤマヒタチオビにずんずんと平らげられていった。オアフでは、ヤマヒタチオビが到着した当時、ハワイマイマイ類の亜種三六種と、六〇品種とが盛んに観察されていた。すべて消滅した。 ー アルゼンチンアリは、世界的にも最悪の外来種とされていて、南アメリカを出発して世界中の温暖な地域に広がっている。アルゼンチンアリは遺伝的に均一の「超巨大コロニー」を形成することがあり、これが広大な範囲をカバーする。ヨーロッパで確認されたコロニーはじつに六〇〇〇キロに及んでいた。実際にこの特異な遺伝特質のおかげで世界的にも成功を収めていて、カリフォルニア、オーストラリア、ニュージーランド、ハワイ、日本に定着している。 自然な流れで滅ぶ事もあるが、人類起因も多い。結局、最も最悪な外来種は人間そのもの、という月並みなオチに帰結する。
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「外来種だから断固排除(捕獲して駆除)ってのはいつでも正しいのだろうか?」ということを一度でも考えたことのある人は,是非,読んでみて下さい。きっとためになりますよ。なやみは解決しないでしょうが,「善意で考える」のではなく「科学的に考える」ことが大切なのだということが伝わってくる...
「外来種だから断固排除(捕獲して駆除)ってのはいつでも正しいのだろうか?」ということを一度でも考えたことのある人は,是非,読んでみて下さい。きっとためになりますよ。なやみは解決しないでしょうが,「善意で考える」のではなく「科学的に考える」ことが大切なのだということが伝わってくること間違いなし。 だいたい,外来種なんて,いつごろから日本に入ってきた生き物のことをいうのかってんですよね。スズメもモンシロチョウも元々日本にいなかったらしい。だから定義としては「外来種」。でもそれをすべて駆除して根絶やしにしろとは言われない。でも,農作物に迷惑な存在であることは確かだ。モンシロチョウでキャベツは穴だらけだ。なのに日本の小学生はモンシロチョウで昆虫の変態を習う。なんで,アメリカザリガニを駆除するの? 何が外来種で,何が在来種か。わたしたちは,どんな立場で駆除を呼びかけているのか。大金を使ってまで,本当に駆除する必要があるのか。生物多様性とは何か? 現状維持が大切なのか? 本書には,さまざまな事例を通して,「外来種は敵だ」という理解だけではすまないことがあることを教えてくれます。それが「科学する」という言葉だと思います。 本書の日本語訳の題名が『外来種のウソ・ホントを科学する』となっていますが,なんかこれはちょっと軽すぎですね。子ども向けの本ならいざ知らず…。原書名が『Where Do Camels Belong?』となっていて,直訳すると「ラクダはどこに属するか?」となっていて,こちらの方がいいかもって思います。 ただ,恐らく訳し方がとても上手なので,著者が表現しているユーモアもしっかり伝わってきて愉しく読み進めることができました。引用されている『沈黙の春』だって,訳者自身が訳したそうですから,けっこうこだわりがありそうです。
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先入観を捨て、ちゃんとリサーチしよう。あと広まってしまった外来種を根絶するのは無理なので砂に水を撒くようなことはやめましょう。
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