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さみしくなったら名前を呼んで 幻冬舎文庫

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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 幻冬舎 |
発売年月日 | 2017/02/07 |
JAN | 9784344425774 |


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商品レビュー
3.5
59件のお客様レビュー
短編集。 うーん、全体的にはあんまり印象に残らなかった。 細かな女の子の描写が上手? 遊びの時間はすぐ終わる、AIBOは面白かった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
◾️record memo 「あたしみたいに変ちくりんな顔でもね、パパが可愛い可愛いって言ってくれたから、あたしは自分のことを可愛いって思えるようになったの。それでこんな性格になっちゃったってわけ!」 ああ、わたしにもうつみ宮土理の父親みたいな人がいればいいのに。きみは可愛いよ、すごく可愛いんだよって、ちゃんと目を見て言ってくれる誰か。そんな人がそばにいれば、わたしも、"ケロンパ" みたいな愛称で呼ばれる、可愛げのある女の子になれたかもしれない。 せめてもの慰めに、鏡を見るたび、心の中でうつみ宮土理の父に、こう言ってもらいました。「可愛い可愛い。さよちゃんは可愛い。さよちゃんはブスなんかじゃないよ。ほんとだよ」 わたしはずっと、自分をイグアナの娘だと思って、それだけを支えに生きてきました。萩尾望都先生の名作『イグアナの娘』の主人公は、母親と自分にはイグアナに見えるけれど、本当はけっこう美少女という設定です。わたしの場合、鏡をのぞきこむと、そこにいるのはブスです。イグアナよりはマシ…というささやかな慰めと、わたしも誰かの目には美少女に見えているかもしれない、というわずかな望みを託していました。 さびしいとかせつないとか侘しいとか、そんなのを感じる心のひだが、全部なくなればいいと思った。 みんな自分に似合わないものばかり、手の届かないものばかり欲しがってる。 自分というものが完璧にあって、物怖じせず、誰とでも対等に話せる人に。自分にピッタリの香水を知っている、おしゃれな、スタイルのあるカッコいい大人に。笑いのセンスに溢れた人気者に。フランス料理のテーブルマナーも知っていてワインにも詳しい、どこに出しても恥ずかしくない女に。たくちゃんと一緒にいることで、そういう人になれる気がしていた。たくちゃんがあたしをブラッシュアップしてくれて、ハイ完成!って送り出してくれる気がしていた。お風呂上がりにバスタオルを広げたママの腕に飛び込みさえすれば、きれいに乾かされてパジャマを着せられ、完璧な状態になってベッドに運ばれるみたいに。そんなふうにあたしを調教して、大人にしてくれる人を求めていたのだ。なんてバカなんだろう。 あたしは、いつになったら自分が思い描く女の子になれるんだろう。いつになったら完成するんだろう。それまでに、あとどのくらいの時間がかかるんだろう。あたしがなりたいのは、きれいで、頭が良くて、おしゃれで、おもしろいことが言える人。いつも堂々としていて、自信があって、人に媚びたりしないし、あとで自己嫌悪に陥るようなダサいリアクションもしない。そういう女の人になれるまで、あとどのくらいかかるんだろう。 あたしは今度こそ、自分の欲しいものは自分の力で、手に入れるつもり。 注目を集めたいと思うことも、もちろんネットでなにかを発信することにも興味はありません。彼らは現代人にはめずらしく、自分たちの幸せを他人に見せびらかさなくても、幸せを感じることができたのでしょう。 青木夫妻は若者たちのちょっとした無作法にも寛容ですし、彼らの意見にきちんと耳を傾けます。若いからといって下に見るような真似も、もちろん説教もしません。でも訊かれれば、そっと教えてくれました。自分らしく装うコツや、靴を長持ちさせる手入れの仕方、美術品を買う意味や、インターネットとの距離の置き方なんかを。 彼らはよく言っていたものです。スタイルを探す試行錯誤にはお金がかかるけれど、スタイルが見つかればあとはお金なんてちょっとで事足りるものよと。 誰にも。誰にもわからない。そしてわからないことを知っているかのように語ってはいけない。
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読み終わった後、なんとなく気持ちがスッキリしない。 どうしてこんなに人間の外見にこだわるのかが引っかかり…。 あまり残る話がなかったが、「孤高のギャルの小松さん」の小松さんの初恋エピソードは、映画のようにその情景が浮かんだ。
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