1,800円以上の注文で送料無料

街場の共同体論 潮新書
  • 中古
  • 書籍
  • 新書

街場の共同体論 潮新書

内田樹(著者)

追加する に追加する

街場の共同体論 潮新書

定価 ¥906

220 定価より686円(75%)おトク

獲得ポイント2P

在庫なし

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 潮出版社
発売年月日 2017/01/01
JAN 9784267020742

街場の共同体論

¥220

商品レビュー

4.3

14件のお客様レビュー

レビューを投稿

2024/08/16

・なぜ、お父さんは「クサいからあっち行って」と言われるのか? ー新自由主義システムからの説明  新自由主義がもたらした家父長制の崩壊が、現代日本の過激化するいじめ、貧困、教師の権威失墜、学力低下、その他諸々の根源にあるとの指摘があって、2017年出版の新書だが、10年経ってもそ...

・なぜ、お父さんは「クサいからあっち行って」と言われるのか? ー新自由主義システムからの説明  新自由主義がもたらした家父長制の崩壊が、現代日本の過激化するいじめ、貧困、教師の権威失墜、学力低下、その他諸々の根源にあるとの指摘があって、2017年出版の新書だが、10年経ってもその内容は色褪せていないと感じる(逆に何も好転していないという悲劇でもあるが...)。  その家父長制崩壊の卑近な例が、娘がお父さんに言う「クサいからあっち行って」という敬意もへったくれもない嫌悪の表明なんじゃないかと思う。新自由主義システムの中で権威性を剥ぎ取られた父親は、ちょっとクサいATMに過ぎなくなってしまうのね....。  じゃあ、どうすれば現代の新自由主義的な問題(本書では改革の結果の答えだとされる)に対処できるか?  提示されているのは、街場レベルでの家父長制の復活ということ。個人的にも、まあそうだよなと思う。父親的な権威が地に堕ち、母親的なものに偏りすぎてバランスを失っているから、毒親的で過保護な支配がまかりとおり、息苦しい世の中になっているんじゃなかろうかと。 ・ラッキーな人を見つける  混迷の時代、人は何か「わけがわかっている」人について行きたがっているそう。彼らは無意識に「ざわざわ」を感じ取る。それが運がいいということ  東郷平八郎が退役目前で連合会軍司令官に抜擢されたのも、彼が運が良かったからなんだと。  個人的には運の良し悪しに懐疑的だったのだが、確かに生き残るには「運のいい人」について行った方が何かと都合がよさそうだ。  運がいい人はどこにいても「機嫌良く暮らしている」とのこと。さて自分の周囲にそんな人はいるかな....

Posted by ブクログ

2024/05/28

(2014/9/26) 内田さんのものの考え方にはいつも唸らされる。納得、である。 第1講 父親の没落と母親の呪縛 第2講 拡大家族論 第3講 消費社会と家族の解体 第4講 格差社会の実相 第5講 学校教育の限界 第6講 コミュニケーション能力とは何か 第7講 弟子という生き方...

(2014/9/26) 内田さんのものの考え方にはいつも唸らされる。納得、である。 第1講 父親の没落と母親の呪縛 第2講 拡大家族論 第3講 消費社会と家族の解体 第4講 格差社会の実相 第5講 学校教育の限界 第6講 コミュニケーション能力とは何か 第7講 弟子という生き方 3章の小見出しに 「こども」の数が異常に増殖してしまった というのがある。 え?この少子化時代に何を言っているんだ、と思ったら、読んで納得。 ここでいう「こども」とは年齢による区別ではない。 「こども」はシステムの保全は「みんなの仕事」だから「自分の仕事」じゃないと思う。 「おとな」はシステムの保全は「みんなの仕事」だから「自分の仕事」だと思う。その違いです。それだけの違いです。 7%大人がいれば現代社会制度は何とか回していける、とも言う。15人に1人。 自分がおとなになっているか、こころもとない。うちの近所のおばさんは向こう三軒両隣綺麗にしてくれている。 その分?おしゃべりが多いが、こういう人こそコミュニティには必要なのだろう。おばさんだ。 そういえば向こう三軒、、と言えば、永六輔さんの本で、永さんの子供時代、かっきり自分の敷地の前だけ掃除して怒られ、 では今度はとその起こった人の敷地の前も全部掃除して「俺の掃除する場所がないだろう!」と怒られ、 ちょうどいい塩梅の場所までの掃除になったというのを思い出した。 おとなになるにはいろいろ教わらなきゃいかんのだ。 幼児は「かつての私」、老人は「未来の私」 というフレーズもいい。 今はそれを忘れてしまっているから、幼児虐待もあれば老人差別もある。まあしかし医療の進歩で老人は増えすぎてるとは思うが、、。 自分の思う通りにならない子供に耐えられない親のニュースがどんどん出るのはつらい。 そう思うのは当然だが、そこをどう乗り越えるか、これは周りの協力が不可欠だ。一対一に追い詰めさせてはいけない。 今の教育は商取引になってしまっている、というのも新しい考え方だった。 いかに効率的に学ぶか。目指す大学入学するという目的のために不要な勉強はしない。卒業するため、就職するためにも最短距離を選ぶ。 ある意味目的に対し合理的ではあるが、学問というのは本来そんな浅いものではないわけで。 しかし今はそれですべて動いてしまっている。 私もその考えに染まっているなぁ。 福沢諭吉の逸話で、休憩しようと思って枕を探したが見つからない、そういえばこの一カ月枕を必要とする寝方をしていなかった、 毎日机に突っ伏していた、などという壮絶な話があった。 それほど必死に勉強して海外の知識を翻訳し、欧米列強に負けないよう努めたのだ。 最初の教科書は原初だったが、彼らの活躍で、日本語の教科書になるまでさほどかからなかったという。 ノブレスオブリージュ。 いまはそういう考えがないのだろうな。権利意識ばかり。自分ばかり。 知的好奇心をくすぐられる本であった。

Posted by ブクログ

2023/11/20

雑誌『潮』に掲載された、著者のエッセイやインタヴューなどをもとにして、加筆をおこなった本です。 共同体論がテーマですが、著者の議論の焦点は、現代の日本に浸透している効率的な意思決定を要求する考えかたが、共同体の危機を招いていることにあてられています。著者自身は、そのような時代の...

雑誌『潮』に掲載された、著者のエッセイやインタヴューなどをもとにして、加筆をおこなった本です。 共同体論がテーマですが、著者の議論の焦点は、現代の日本に浸透している効率的な意思決定を要求する考えかたが、共同体の危機を招いていることにあてられています。著者自身は、そのような時代の趨勢に抗して、私塾を立ちあげ弟子たちをそだてるという取り組みをおこなっており、他方で本書のように著述活動を通じてそ著者自身の考えをひろく世のなかに訴えています。本書もそうして刊行された一冊で、「新書版のあとがき」にはこのところ「だいたい同じようなこと」をくり返し語っていることを認めています。 わたくし自身は著者の本はある程度読んでおり、その考えかたにもある程度なじんでいましたが、本書では著者のフェミニズム批判がやや急進的なかたちで提出されているところが気になります。著者がフェミニズム批判を主要なテーマとした本には、『女は何を欲望するか?』(2008年、角川oneテーマ21)が刊行されていますが、本書ではそれよりももうすこしおおまかな印象論のレヴェルで議論がなされており、著者が批判する消費者のマインドがフェミニズムのうちにも流れていると論じられています。おそらく、1980年代の消費社会論の隆盛に、一時的にではあるにせよ上野千鶴子が乗っかったことが、著者のこうした印象を強めたのではないかという気がします。 政治的な立場では上野にある程度近いであろう姜尚中も、日本が消費社会を謳歌していたちょうどそのとき、昭和天皇の死去という出来事によって伝統的な共同体が突如すがたを見せたことに対するショックを語っていましたが、これらの例も含めて、20世紀の終わりから現代にかけての政治・経済状況が、現代の日本の思想にもたらしたものを考えてみることができるのではないかという気がしています。

Posted by ブクログ

関連商品

同じジャンルのおすすめ商品

最近チェックした商品