1,800円以上の注文で送料無料

ポピュリズムとは何か 民主主義の敵か、改革の希望か 中公新書2410
  • 中古
  • 店舗受取可
  • 書籍
  • 新書

ポピュリズムとは何か 民主主義の敵か、改革の希望か 中公新書2410

水島治郎(著者)

追加する に追加する

ポピュリズムとは何か 民主主義の敵か、改革の希望か 中公新書2410

定価 ¥902

550 定価より352円(39%)おトク

獲得ポイント5P

在庫わずか ご注文はお早めに

発送時期 1~5日以内に発送

店舗受取サービス対応商品

店舗受取なら1点でも送料無料!

店舗到着予定

2/2(日)~2/7(金)

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2016/12/01
JAN 9784121024107

店舗受取サービス
対応商品

店舗受取なら1点でも送料無料!
さらにお買い物で使えるポイントがたまる

店舗到着予定

2/2(日)~2/7(金)

ポピュリズムとは何か

¥550

在庫わずか
ご注文はお早めに

カートに追加するカートにいれる

商品レビュー

4.3

51件のお客様レビュー

レビューを投稿

2024/12/01

2024年11月、トランプ再選。日本においても衆議院選挙での国民民主党の躍進等、昨今の国政選挙におけるポピュリズム的雰囲気が伸長しているように思える。そんな中で、ポピュリズムとは何なのか、気になって本書を手に取った。 本書では、ラテンアメリカ、ヨーロッパにおけるポピュリズム政党の...

2024年11月、トランプ再選。日本においても衆議院選挙での国民民主党の躍進等、昨今の国政選挙におけるポピュリズム的雰囲気が伸長しているように思える。そんな中で、ポピュリズムとは何なのか、気になって本書を手に取った。 本書では、ラテンアメリカ、ヨーロッパにおけるポピュリズム政党の事例を参照しつつ、副題の通りポピュリズムは「民主主義の敵なのか、改革の希望なのか」という点が考察されている。 総論としてはP20以降のまとめが非常にわかりやすく、メモとして以下に記しておく。論じられているのはポピュリズムの功罪である。 まず、デモクラシーに対しての寄与であるが、4点あげられている。主には、人々の参加と包摂を促すことである。 • 政治から排除されてきた周縁的な集団の政治参加を促進することでデモクラシーの発展に寄与する • 既存の社会的な区別を超えた新しい政治的・社会的まとまりを作り出すとともに、新たなイデオロギーを提供することができる • 政治そのものの復権を促すことでの寄与。重要な課題を経済や司法の場に委ねるのではなく、政治の場に引き出すことによって、人々が責任をもって決定を下すことを可能とする。またそれは、政治というものの持つ対立的な側面を呼びおこすことで、世論や社会運動の活性化につながる。 一方、デモクラシーへの脅威という観点では、以下の3つが挙げられる。 • 「人民」の意思を重視する一方、権力分立、抑制と均衡といった立憲主義の原則を軽視する傾向がある。特に、多数派原則を重視するあまり、弱者やマイノリティの権利が無視される傾向にある。 • 敵と味方を峻別する発想が強いことから、政治的な対立や紛争が急進化する危険性がある。ポピュリズムとアンチポピュリズムの新たな亀裂の中で、妥協や合意形成が困難になるおそれがある。 • 政党や議会と言ったっ団体・制度や、司法機関等の非政治的機関の権限を成約し、「良き統治」を妨げる危険がある。 ポピュリズムは、上述の通り、デモクラシーから見て必ずしも完全に相反する概念ではないことが、ある種の取り扱いづらさを呼びおこしている。完全に無視すれば、そもそも政治世界から排除された層の復権というポピュリズム団体の存在を認めることとなり、既存の政治主体への取り込みについても、一定の妥協が必要なことや、ポピュリズム団体が掲げる主張や排外主義的であれば、取り込むにしても既存の政治団体もそうしたイメージを払拭できないという袋小路となる。 また、本書における事例紹介では、主にラテンアメリカでは、社会格差を理由に、大地主や外国資本等のエスタブリッシュメント批判がポピュリズムの基本的な信念として、活用され、一方ヨーロッパではリベラルを錦の御旗にし、排外的な論調が目立つ。また、既存の政治手法や政治主体への批判、そもそもの間接民主制批判等も行われる。興味深い事例として、オランダのウィルデルスが挙げられ、1人政党として、政党組織を持たず、インターネットによる支援の呼びかけ等によって、政治手法そのものが全くの新しい形となっている例もある。 また、スイスの事例では、スイスの伝統的な国民投票の功罪も記載されている。例えば、スイスの福祉施策の遅れ等、現時点での国民に負担を強いる政治施策に対して、かなりの割合で国民投票で否決されることが記載されている。 こうしてポピュリズムというものを見たときに、中島岳志先生の、「立憲主義とは、民主主義に死者の存在を取り込むことである」というコンセプトのすばらしさを改めて感じる。ポピュリズムの特徴は、まさに主張の先鋭化と、今生きている人による多数者の圧政を促す点にあると、本書を読んで私自身理解した。端的に言えば、時間的にも空間的にも視野が狭いことにある。 一方、民主主義という意思決定手段を活用しながら、持続可能な社会を作るためには、民主主義を単なる多数決にしないための制度化されたシステムが必要となる。そうしたものが立憲主義であり、立憲主義が促すのは、意思決定者の視野を、少なくともその一生分やそこらの70-90年以上のスパンに広げることである。 「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」 ドイツの初代宰相であるビスマルクの言葉だが、敢えて、ポピュリズムと立憲主義や間接民主制に置き換えれば、「ポピュリズムは経験に学び、立憲主義は歴史に学ぶ」のである。 正直、今読み返してみると、「今苦しんでいる人をどうするんだ、これだからリベラルなんでエスタブリッシュメントの遊具にすぎないのだ」という批判も浴びそうなものであるが、そうした意見に対しても、常に真正面から対話し続け、社会の亀裂や溝を無くす努力をし続けなければならない。

Posted by ブクログ

2024/07/22

非常に面白い EU離脱演説の際、ナイジェル・ファラージは「グローバリズムとポピュリズムの争いだ」と表現した。そしてまさにトランプ大統領が復活しつつある今、ポピュリズムの真価が問われる時代だなと感じた。

Posted by ブクログ

2024/07/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

たいして期待もなく読み始めたが、中々な良書。 見くびって、すまんかった。 ポピュリズムというのを「山本太郎みたいなもんだろ」というくらいの認識だったが、 中南米での抑圧からの解放、欧州でのリベラルへの対抗、アメリカでの中西部ラストベルトの見捨てられたプアホワイトの反逆など事例も豊かに解説されている。そうそう大阪維新の会も。 本書が上梓されたのがトランプ政権誕生の時期。 奇しくも今は、フランス下院での極右政党多数獲得や、もしトラの話題もあり為になる読書であった。 以下Amazonより。 いま世界中でポピュリズムが猛威を振るっています。 「大衆迎合主義」とも訳され、民主主義を蝕む悪しき存在と見なされがちなポピュリズム。しかし、ラテンアメリカでは少数のエリートによる支配から人民を解放する力となりました。 またヨーロッパでは、ポピュリズム政党の躍進が既成政党に緊張感を与え、その改革を促す効果も指摘されています。現代のポピュリズム政党は、リベラルな価値、民主主義のルールを前提としたうえで、既成政治を批判し、イスラム移民の排除を訴えており、ポピュリズムの理解は一筋縄ではいきません。 本書は各国のポピュリズム政党・政治家の姿を描き、「デモクラシーの影」ともいわれるその本質に迫ります。

Posted by ブクログ