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贅沢貧乏のお洒落帖 ちくま文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2016/12/01 |
JAN | 9784480434043 |
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贅沢貧乏のお洒落帖
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商品レビュー
3.9
11件のお客様レビュー
森茉莉の文章から、衣装にまつわるものを中心としたアンソロジー。 大きく分け、三つに分かれる。 第一は少女時代。 次に夫と赴いたパリでのこと。 最後は戦後のことだが、ここはちょっと衣装の話とも言い難い、少し雑駁な内容。 少女時代、父鴎外や母しげが誂えてくれた衣装たち。 それはベ...
森茉莉の文章から、衣装にまつわるものを中心としたアンソロジー。 大きく分け、三つに分かれる。 第一は少女時代。 次に夫と赴いたパリでのこと。 最後は戦後のことだが、ここはちょっと衣装の話とも言い難い、少し雑駁な内容。 少女時代、父鴎外や母しげが誂えてくれた衣装たち。 それはベルリンから取り寄せる子供服であったり、三越で作らせた和服の晴れ着であったりする。 明治後期としては、かなりの贅沢な衣生活であったといえる。 描写から、どんな衣装なのか想像するのが楽しかった。 そのために、この一冊を読み終えるのに十日もかけてしまい、読み終わるのが惜しかったくらいだ。 特に「下絵」というエッセイは、文章としても絶品だと思う。 嫁ぐ茉莉のために、振袖の図案の下絵を描く鴎外。 鴎外とともにあれこれと準備をすすめるしげ。 華やかな雰囲気の中に、鴎外の死の兆しと森家の凋落の予感が漂う文章である。 パリでの文章では、パリの女性店員への絶賛が印象的だった。 サイズを測るにも、的確な動きの中にも客の体を大事に扱うのだそうだ。 それに比べ、日本の売り子はみな突慳貪だと憤慨していた。 茉莉がパリで行っていた店がどんな客筋の店だったのか気になるが、この時代はこんな風だったのか、と意外な感じがする。 まず、茉莉たちがパリで人種差別的な取り扱いを受けていなかったのに驚き、次に日本のサービスレベルって、この時代低かったの?と驚いたのだ。 宝石や香水など、大人の女性の持つもの―それは離婚後、戦時中と苦難の生活の中で失われてしまったものだが―への哀惜が描かれるのも心にしみる。 ここまで読んでいくと、古き良き時代の人としてしか彼女を認識できない。 ところが、戦後の記述を読んでいくと、三島由紀夫はともかく、研ナオコ、美輪明宏、タモリ…といった名前が並んでいく。 それを見て、同じ時代を少し共有していることに気づく。 大げさかもしれないが、かなり衝撃的だった。 もっとも、美輪明宏がまだ三十代で、その若さで五六町も歩けないという話が出てくると、現在のあのご高齢で活躍しているのが意外でしかたがない。
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森茉莉さん、本当に素晴らしい。好き嫌いがはっきり分かれる作家ではあるだろうが、好きな人は熱狂的に好きなのではないだろうか。 森茉莉のいた巴里は1920年代初め。マリー・ローランサンやシャネル、ヘミングウェイ、ピカソのいた巴里。その時19〜20歳くらい。土台はシベリア経由でヨーロッ...
森茉莉さん、本当に素晴らしい。好き嫌いがはっきり分かれる作家ではあるだろうが、好きな人は熱狂的に好きなのではないだろうか。 森茉莉のいた巴里は1920年代初め。マリー・ローランサンやシャネル、ヘミングウェイ、ピカソのいた巴里。その時19〜20歳くらい。土台はシベリア経由でヨーロッパから届く幼い頃の洋服で出来上がり、1920年代の巴里で完成されたお洒落。ちょっと並みの日本人では太刀打ちできないお洒落の感覚であって当然だろう。森茉莉にしか分からないお洒落。色の表現もとても素敵。独特の感覚に加えての色の表現力。 今回も編者あとがき、がまた素敵。そして、そして、黒柳徹子さんの解説。お2人が仲良しだったことは納得。なんと素敵なことだろうとクラクラする。解説の中での森茉莉のエピソードが自由で素敵過ぎました。なんでだかはわからないけど、森茉莉と黒柳徹子さんの組み合わせはとても私を幸福にします。
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森茉莉さんのファンになった! 自己肯定感が高くて、好き勝手言ってるところもあるけど、でも嫌な感じがしなくて…。 他の本も読んでみたくなった。
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