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水木しげるの妖怪人類学 角川文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
| 発売年月日 | 2016/10/01 |
| JAN | 9784041049112 |
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水木しげるの妖怪人類学
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水木しげるの妖怪人類学
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商品レビュー
3.3
3件のお客様レビュー
前回の「日本人とはなにか」レビューで私は「死後の世界の魂は、日本人の多くは我々の生活圏内の直ぐ近くにいると思っている」という意味のことを書いたが、図らずも、本書を読むとその仮説を応援してくれているみたいに感じた。 本書は、3つの雑誌に書き継いだ氏の妖怪図鑑のようなものである。学...
前回の「日本人とはなにか」レビューで私は「死後の世界の魂は、日本人の多くは我々の生活圏内の直ぐ近くにいると思っている」という意味のことを書いたが、図らずも、本書を読むとその仮説を応援してくれているみたいに感じた。 本書は、3つの雑誌に書き継いだ氏の妖怪図鑑のようなものである。学術書ではないので、出典や証言の但し書きがない。人物或いは図が、具体的に何処を示していて、何処から事実に即していて、何処からが氏の創作なのかが判然としない。けれども、紐解けばわかるが、単なる氏の想像の産物として描いているわけではない。ことは推察できる。 前半160頁に渡り氏のカラー図画があり、後半150頁はその解説となっている。解説を読むと、必ずその場所に行っていることが推察される。後半は韓国、台湾、中国、マレーシア、インド、イタリア、ロシア、アメリカ、ニューギニア等々と世界の「目には見えないが、そういうものがいる」ものを漫画として写しとっている。 解説子の言うには、水木しげる氏は、好奇心旺盛で、海外に行って多数の写真を撮りまくった。その「視点」が常人のものではないのだという。首塚大明神のように実在の景色に昔の人々を配して絵を描く場合もあるけれども、「山みこ(日本土佐)」や「はれものの精(マレーシア)」のように、普通の森や何処にもありそうな古い井戸が描かれている。普通の森や井戸なのに、氏の描き込みにより、図画はどんどん暗く特別な空間になってゆく。実際にそれを見たか、或いは地域に行ってその空気を吸って「感じ」なければ描けない絵の数々である。 氏は「妖怪人類学」を呼称していた。決して学術的ではないのに、説得力がある。蓋し、あとを引き継ぎ学を大成する者、一人も居ないと考える。
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※このレビューにはネタバレを含みます
「妖怪人類学」とあるから、てっきり水木しげるが培ってきた妖怪観が述べられているものだと思っていたのに、蓋を開けてみれば「妖怪図鑑」。背景が細かくリアルに描き込まれたカラーの妖怪画は、水木しげるにとって人間は(もしかしたら妖怪も)世界の構造の一部でしかない、と以前読んだ評伝の言を証明するようであり、これだけでも勿論目にする価値はあるが、いかんせん期待とは違っていたのでどうにも、、、まあ評論家のように一から十まで語り尽くすような人物でもなし、むしろ"画"で語るのがらしいとも言える。 本書は日本の妖怪だけでなく、水木しげるが実際にフィールドワークへと赴いた世界各国の「目に見えない何者か」も収録されており、まさに彼の晩年の活動の集大成とも言うべきものだろう。妖怪画ひとつひとつに解説が付いているのだが、現地の女性たちのお尻の触り心地が非常に良かっただとか、文脈に突然放り込まれる「とても健康になったネ」の一言だとか、人物像が垣間見えるユーモラスな文章がクセになる。面白い。 ともかく水木しげるが、目に見えるものばかりに縛られている日本社会、ひいては世界の在り方に異議を唱え、「目に見えないのに確かに存在する者たち」に今一度注目し、かつ敬意を払おうとしていたことは十二分に伝わった。これ学問になったら本当に面白いと思うんだけど、誰か挑戦してくれないかなあ。
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この作品には作者が戦争中ジャングルで出会った怪をはじめ、日本の妖怪だけでなく世界の妖怪がたくさん紹介されている。この年になって初めて聞いた妖怪がいっぱいで、子供の時のワクワクを久しぶりに感じながら読みました。
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