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クー・クラックス・クラン 白人至上主義結社KKKの正体 平凡社新書827
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 平凡社 |
発売年月日 | 2016/10/01 |
JAN | 9784582858273 |
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クー・クラックス・クラン
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合衆国の秘密結社、クー・クラックス・クランの歴史。とくに南北戦争直後の第一期と1920年代の第二期クランを中心に書かれている。第一期のクランの結成の経緯が研究的にもまだあまりはっきりとは分かっていないというのは意外だった。日本を含め世界中で巻き起こっている排外主義的風潮の文脈にク...
合衆国の秘密結社、クー・クラックス・クランの歴史。とくに南北戦争直後の第一期と1920年代の第二期クランを中心に書かれている。第一期のクランの結成の経緯が研究的にもまだあまりはっきりとは分かっていないというのは意外だった。日本を含め世界中で巻き起こっている排外主義的風潮の文脈にクー・クラックス・クランを位置づけて書かれているが、個人的には合衆国の人びとの自助・共助意識というか、互助組織がなんであんなに多いのかという組織論的な話を扱った章が面白かった。
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南北戦争で敗北した南部軍人たちを軸に結成された秘密結社KKK。 現代のKKKは排外主義で暴力的な白人至上主義団体イメージがあるが、社会的変化の軋轢に抵抗するにも寄る辺の無かった人たちの拠り所でもあった。
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目だけを出した白い頭巾に全身を覆う白いローブ。手には松明を 持って、夜な夜な黒人狩りに出かけて行く。 私のなかでのクー・クラックス・クランのイメージである。映画で見た のか、小説で読んだのか不明なんだけれど白人至上主義を唱える この秘密結社にはいい印象はないんだ。 ...
目だけを出した白い頭巾に全身を覆う白いローブ。手には松明を 持って、夜な夜な黒人狩りに出かけて行く。 私のなかでのクー・クラックス・クランのイメージである。映画で見た のか、小説で読んだのか不明なんだけれど白人至上主義を唱える この秘密結社にはいい印象はないんだ。 海外ではこの秘密結社について書かれた本がいくつかあるようだが、 日本人の著者による本格的な作品は本書が初めてだとか。 クー・クラックス・クランと一口に言っても同じ組織が設立当初から 継続されているのではないんだな。最初は南北戦争で敗れた南部 の元兵士たち6人によって組織され、纏った衣裳も現在広く知られて いる白ではなく緋色だったとか。 著者が「第一期」と呼ぶこの時期は黒人への憎しみというより、南北 戦争敗戦でこれまでの生活が根底から覆されることへの自衛的な 意味合いが大きかった。まぁ、被害者意識がこじれたって感じか。 1870年に「クラン対策法」が成立すると第一期クランは解散となるの だが、その後の第二期はアメリカへの移民流入への危機感から生ま れている。 まず攻撃の対象になったのは中国人、そして日本からの移民も彼ら の攻撃対象になっていたなんて知らなかった。でも、中国や日本から の移民の増大に危機感や嫌悪感を示したのはクー・クラックス・クラン のメンバーだけではないんだけどね。白人優越主義は秘密結社だけ の専売特許ではなかったはず。 そして第三期は公民権法を巡る議論が巻き起こった時期だ。多分、 この頃の黒人や公民権運動に参加する人たちへの暴行事件など が、クー・クラックス・クランのイメージとして定着しているのだと 思われる。 どの時期のクランにも共通しているのは既得権益を守ろうとする姿 なのではないかな。第一期のクランはこれまで通りの南部の生活を 守りかったのだろうし、第二期のクランは安い賃金で働く中国や日本 からの移民に仕事を奪われない為。第三期のクランは有色人種より も優秀である白人と、黒人が同じ待遇になることへの不満。 社会的な問題となった時期もあっただけに、クー・クラックス・クランの 研究は進んでいるのかと思ったけれどそうではないらしい。それには 現役メンバーや元幹部の証言が取れない難しさもあるんだろうな。 クー・クラックス・クランの盛衰とアメリカの歴史の流れをざっと掴める 良書である。 そうして思った。「アメリカ・ファースト」を唱え、特定の国からの移民を 制限しようとする現在のアメリカのトランプ経験は、クランの思想を受け 継ぐ者たちに「自分たちは正しい」との口実を与えやしないか? アメリカだけじゃない。ヨーロッパでの移民排斥運動や、日本のヘイト・ ピーチにも通じるものがあると思う。 結局は不満のはけ口なのだろうな。自分たちより弱い者を攻撃する のがガス抜きになる。怖いことだけれどね。 ファスナーについている「YKK」の文字は安心の印だけれど、クー・クラッ クス・クランの略語「KKK」はレイシズムの証し。一文字違いなのになんと いう違いだろうか。
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