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文藝モンスター 河出文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2016/11/08 |
JAN | 9784309414874 |
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文藝モンスター
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商品レビュー
3.4
12件のお客様レビュー
作家と読者と編集者。 お互いに納得のいくものを創れないのであれば、どれだけアイディアが浮かんできても作品にしたいと思えないだろうな。 分からないことを追求し続けた結果、怖いを克服する副産物として全てのトリックに気付けたのだろうな。
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ジャンルを問わず広く作品を募る増田文学賞の受賞者たちが集まった親睦会で起こった殺人事件。その直前に祈った「消し神様」への願いが叶ったかのような事態には意味があるのか。ライトでユーモラスな読み心地のミステリです。 探偵役となるホラー作家・雨漏のキャラクターがまあ凄い。自らの書いたホ...
ジャンルを問わず広く作品を募る増田文学賞の受賞者たちが集まった親睦会で起こった殺人事件。その直前に祈った「消し神様」への願いが叶ったかのような事態には意味があるのか。ライトでユーモラスな読み心地のミステリです。 探偵役となるホラー作家・雨漏のキャラクターがまあ凄い。自らの書いたホラー小説を読んで恐怖のあまり失神するとか、なんでこんな人がホラー書いてるんだ! ってなツッコミを入れたくなるのは当然のことですが。そこにとある理由がきちんと用意されているのは……あ、なんだか無性に納得してしまった(笑)。そうだよね、たしかに恐怖はそこから生まれるものですが。そういう問題ではない気がするぞ、たぶん。 ド派手な殺人事件に奇天烈な探偵役でさあいったいどうなるのかと思いきや。トリックや仕掛けは至極まっとうなミステリでした。そして本に対する愛が描かれているのも良いなあ。
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増田文学賞の受賞で作家となった笹野は、年に一回行われる飲み会に参加していた。増田飲みと呼ばれるその会は増田文学賞でデビューを飾った作家達が集まるという特殊な会であった。個性的な作家達に囲まれ、楽しい会になるはずであったが……。 *** 初読みの作家さん。二宮敦人さんの書籍は何...
増田文学賞の受賞で作家となった笹野は、年に一回行われる飲み会に参加していた。増田飲みと呼ばれるその会は増田文学賞でデビューを飾った作家達が集まるという特殊な会であった。個性的な作家達に囲まれ、楽しい会になるはずであったが……。 *** 初読みの作家さん。二宮敦人さんの書籍は何冊かタイトルに惹かれ所持しているが、読んだのは初めて。他の作品のタイトルやあらすじがグロテスクなものを思わせる陰鬱なイメージを持っている作家さんだったが、こちらの小説はかなりコミカルな内容のミステリ小説だった。 要所要所でグロテスクな表現があり、凄惨な様子もあったのだがそれさえも押し流してしまうような爽快感のあるテンポ。主人公に危機が迫る描写もあったりしてドキドキしたのだが、そのドキドキとの差が更に楽しさを演出していて非常に良かった。登場人物も、自分の書いた小説が怖すぎて、ゲラの際に失神してしまうホラー作家などが出てきてかなり個性的。主人公以外のほとんどが個性的過ぎてキャラが渋滞しそうなものだが、彼らが生き生きとして作中で動き回り、互いに邪魔することなく、むしろ面白さを増している。 登場人物が好き勝手動いるのに、全く混乱しないというのはすごい。 また、ミステリ小説でありながら、作家と出版社の関係性というものにも切り込んでいて興味深かった。 個性的な作家たちの抱える苦悩。自分たちは社会から逸脱した存在で、作家としてしか生きていけない。しかし、出版社は発行部数や売り上げを心配するばかりで自分たちの自由に書かせてくれないし、ケチばっかりつけてくる。というリアルの作家たちが抱えているかもしれない悩みが作中にぶちまけられていた。 ミステリ小説を読んでいたはずなのだが、コミカルな内容と本を介して行われる人間模様に心を揺さぶられた一冊。 殺人事件も起こったし、謎解きもあったし、ヒロインのピンチもあったし大筋では王道のミステリ小説だったが、殺人事件も、謎解きも果たしてそこがメインであったかといわれると、個人的には違うかなあと思った。 いや、でもこの一冊を読んで小説家も出版社も血のにじむような努力の元に一冊の本を作り上げている事実を改めて理解した。それなのにど素人が訳知り顔で「この本はこうだ!」というのはやや憚られるかもしれない。 しかし、内容の感じ方は千差万別だし……。という複雑な心境で感想を書いている次第。ともかく、こね回さずに感想を言うのであればこの本は非常に面白かったという一言に尽きるのである。
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