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さよなら妖精 新装版
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
| 発売年月日 | 2016/10/28 |
| JAN | 9784488027681 |
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さよなら妖精 新装版
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商品レビュー
3.9
40件のお客様レビュー
広い世界に手が届かずに、なんとか自分にできることが無いか必死に考えてもがき続ける青春小説。誰もが少なからず、20歳前後の頃を思い出し共感するのではないだろうか。同年代が読んだら、その時期はバイブルになるのでは?と揺さぶられる小説だ。 物語は主にユーゴスラビアからの旅人マリアが日...
広い世界に手が届かずに、なんとか自分にできることが無いか必死に考えてもがき続ける青春小説。誰もが少なからず、20歳前後の頃を思い出し共感するのではないだろうか。同年代が読んだら、その時期はバイブルになるのでは?と揺さぶられる小説だ。 物語は主にユーゴスラビアからの旅人マリアが日本にいた2ヶ月間の出来事を記す。その間に広い視野を持つマリアに憧れ、必死に成長しようとする守屋路行の物語。少し冷たい同級生の太刀洗万智との対比が素晴らしい。 万智は完璧超人に見えるが、守屋からのフィルターを通しており、「ちょっと冷たく見積もりすぎ」という万智の訴えも心に響く。 私はもうおじさんであり、再読であるが、それでも心に残る作品だった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ある雨の日、同じ高校に通っている守屋と万智はユーゴスラヴィアから来たマーヤに出会う。行く場所がないマーヤに家が旅館を経営している白河いづるを紹介し、マーヤは日本にいる二ヶ月間いづるの家でお世話になる。守屋と同じ部活の文原も加わり、マーヤと出かけたこともあった。マーヤは帰国してしまうが、マーヤが旧ユーゴスラヴィアのどこの国の人なのかは分からない。彼女が安全な場所にいることを願って白河と守屋は守屋の日記を頼りに、推理をすることに… サラエヴォオリンピックの10年後リレハンメルオリンピックで戦火にあったサラエボを思って、プロ転向していたフィギュアスケーターが出場したのを覚えている。その頃でも東欧の国のことは日本ではどこか遠いところのような気がしていた。民族浄化という言葉は聞いていても、何故それが起こっているのかは分かっていないし、今もってしっかり理解できているか、分からない。 東日本大震災が起こったとき、外国人の人が多数、帰国したことを覚えている。それでいいと思っている人が私の周りでは多かった。その中でウクライナ人の友人は帰らない、と言っていた。もちろん、旦那さんは日本人で息子さんも二人いたから帰国なんて考えられなかっただろう。しかし家族ぐるみで帰国すれば?と思ったことはあった。あれからずいぶん経ち、彼女は今、ウクライナのニュースをどこで聞いているのだろう、とこの本を読んで考えてしまった。 守屋の考えは分からなくもないけれど、でも若さ故の暴走に感じてしまうのは私が年を取ったからだろうか。マーヤのことは、こうならないで欲しい、と思ったことが当たってしまい、なんとも辛い気持ちにはなる。ユーゴでは多くの人々がマーヤのように途中で命を奪われてしまったのだろう。そして今でも多くの人々が国を良くしようと思って戦っているのだろう。私もそうだが、現在日本にいて少なくとも身体上の安全があるのはかつての私たちの先輩達が戦ってくれた事実があるのだろう。 小さな幸せを忘れないようにして生活したいと思う。
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「異国の美少女マーヤはどこから来た?」 もうどこでもいいからどうかご無事で!!と願ってしまう程、マーヤのキャラが儚くて神秘的で魅力的。 高校生たちの爽やかな異文化交流にユーゴスラビア紛争が大きく影を落としていく様が苦しくて切ない。 特に守屋くんの憧れか恋心かな変化を危なっかしく描...
「異国の美少女マーヤはどこから来た?」 もうどこでもいいからどうかご無事で!!と願ってしまう程、マーヤのキャラが儚くて神秘的で魅力的。 高校生たちの爽やかな異文化交流にユーゴスラビア紛争が大きく影を落としていく様が苦しくて切ない。 特に守屋くんの憧れか恋心かな変化を危なっかしく描いてそこに現実の壁を容赦なく叩きつける描写は実に残酷。 随所に入る日常ミステリはどれも面白く、「お墓と紅白饅頭の謎」はダークな感じで私的には一番好み。 爽やかな青春に後悔や無力感の闇を落とし込むあたり著者さんの真骨頂が表れる一作。
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