悪文 伝わる文章の作法 角川ソフィア文庫

岩淵悦太郎(著者)

• 販売会社／発売会社: KADOKAWA
• 発売年月日: 2016/10/25
• JAN: 9784044000813

商品レビュー

2025/11/25

読了。悪文である例文がほんとに読みづらかった。別の本も読んだけど、考える気も読み込もうとする努力も無くしてしまう、それが悪文なのだと気づいた。
悪文は長い。例文で表示された悪文は全部長かった。
それと文末表現。主語と述語の呼応はできているか。敬語と常体の混合はないか。
独りよがりの文になっていないか。
それと単語の持つイメージについて。内容が伝わればそれでいい、みたいなのを真っ向からぶった斬っててスッキリした。
悪文でなければ内容も伝わる。
またチェックする際のポイントも巻末？にある。これは助かる。

2025/09/21

悪文とは何ともストレートなタイトルだ。昨今の本のタイトルとは正反対で、新鮮さを感じた。
悪文の原因は、①文書全体の構成が練れていない、②文の構造が練れていない、③語が適切に使われていないことにある、と理解した。悪文にかかわる七つのテーマから、例となる悪文を説明し訂正を施している。そこで、編集者になったつもりで悪文を予め校正し、自分の修正案と著者による校正を比較しながら読んでみた。著者のようにはスマートには校正できなかったが、これからの自分の書き物のために役立ちそうだった。
本書の初版は昭和35年（1960年）のようだ。そのため悪文に挙げられた文章はスタイルが古めかしいだけでなく、若い読者には背景が理解できないかもしれない。

2025/02/21

悪文＝読みにくい文章。

一貫したこの主張が、とても分かりやすかった。

読書には「読解」と「理解」の２つのプロセスが必要だが、そもそも読解でつまずかされると読む気が失せる。読者の能力の問題ではなく、書き手側の問題だと思えば、読書はもっとハードルが下がりそうだ。

実際問題として、読みにくく、理解し難い文章を書くのは意外にも難しい。なぜなら、書いている側が何書いていているか分からなくて、気持ち悪くなるからだ。しかし、悪文を書く人はそれが平気なのだ。
さらに言えば校正もしないのだろう。読み返すと「もっと平易な表現はなかっただろうか」と思うものだが、悪文を書く人はそれも思わないのだ。

果たして、そのような文章はどこに需要があるのだろうか。まるでホラーである。