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マタギ奇談
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 山と渓谷社 |
発売年月日 | 2016/10/01 |
JAN | 9784635320146 |
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商品レビュー
4.1
10件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
著者が『マタギに学ぶ登山技術』を書き終えたのち、マタギたちから取材の合間に聞いた様々な奇妙な話をまとめたもの。 主に白神山地や、青森・秋田・山田がなど東北地方のマタギたちから聞いた話。 八甲田山雪中行軍遭難事件の、隠された真実。ネタバレでいうと、弘前第三十一連隊の福島大尉率いる弘前隊は、その土地その土地の道に精通した案内人に誘導され八甲田山麓に到着し、八甲田山麓でマタギをしていた数人の若者に案内をさせて雪中行軍をしたというもの。出発後に天候が悪くなりマタギは中止を進言するが拒否されさらに進むことを命令される。早朝から深夜11時すぎまで歩き続け、やっと休めると思いきや、マタギたちには休みをあたえず、先の小屋の主人を連れてこいと命令する。しかも弁当と仲間二人を置いていけ。これは逃亡を防ぐための人質。弘前隊は青森隊が遭難しているとは知らず、歩き続け、青森市側の入り口である集落が遠くに見えたとたん、マタギたちをお払い箱にした。ここで見たことは他言するべからず。破ったら軍隊の牢獄に入れる。 命をかけて兵士たちを案内してきたのに、山中で見捨てるのだ。 あとは、クマを獲ったことにより起きる祟り話、山の髪の話、マタギの風習や伝説など。 切なかったのは時代の流れとでも言おうか、白神山地は世界遺産に登録される。あるマタギが予言した。 「昔はよかった。今では無駄な道路が出来たりしてろくなことはない。白神がズタズタにされました。さらに数年たったら世界遺産にでも指定され、いろいろと制約が出て来てマタギが出来なくなる日がくるかもしれません。 『国は、自然を守るというのは、誰も入れないことと思っている。そうなると荒廃するだけでなく、動物が増えてたいへんなことになります。山のことを知っているマタギが調整してやらないとダメになります。それを知らないのですよ、机の上で考えているから検討違いなことばかりやっている。我々地元のマタギに話を聞こうともしない。白神が荒廃しないで今もあるのは、昔からマタギが守ってきたからんんです。それをわかっていない、とういかわかろうとしない。』 第1章でも遭難した青森隊は集落の長が『この時期に山に入るのは無謀だ。やめなさい。もし進むなら案内人を雇いなさい」と忠告したのに、「我々にはお前ら案内人ごときより優秀な地図とコンパスがある。案内人を雇えというのは金が欲しいからだろう」とつっぱね、結局遭難するのだ。 白神山地や鳥獣保護区にしていされた。その結果白神では一切の量ができなくなった。 1000年以上続いて来たマタギという文化が終わってしまったこと、残念に思う。 そして伝承として、このように本に残されること、とても大事だと思う。
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最後の老マタギの話は、自然との共存共生という事について考えさせられた。古くからマタギのオキテは自然と共存していくための知恵だったのだろう。ただのハンターではなく、自然を知り敬意を払い、人間と自然の調整役として存在した。
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マタギはあまり地元では話を聞いたことがなくて、面白かった。白神山地の情景が浮かぶ。里山イニシアチブとか、SDGsなんて言葉のもっとずっと前から続く文化の話は、奥行きがあって良かった。
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