生命記憶を探る旅 三木成夫を読み解く

西原克成(著者)

• 販売会社／発売会社: 河出書房新社
• 発売年月日: 2016/08/01
• JAN: 9784309253503

商品レビュー

2024/09/04

(2017/2/14)
武田鉄矢・今朝の三枚おろしに取り上げられていて、
面白そうだったので入手。
はじめに結論を言ってしまえば、鉄矢さんが話してくれた内容以上のことは
理解できなかった。
それは、胎児はその成長の中で、生命の進化を再現しているということ。
魚に始まり、フカになり、陸に出て両生類になり哺乳類になる。
胎児が弱るタイミングがあるという。
それが、フカが陸に出て、重力が６倍になる中、
のたうちまわって血圧を上昇させ、環境に適合する、
その姿と共通するのだ、という。
これは著者の説ではなく著者が師匠と仰ぐ三木成夫さんの論。
実際胎児の姿を見ると、どんな動物でも似ている。
これは素直にうなづける。

しかし著者はこれをエネルギーにからめる。
重力もエネルギーとし、そののたうちまわるときの重力の影響を語る。

そしてそのエネルギー、重力が免疫病と関わるとして、
最後は昔からの教え、
口ぽかんはだめ、腹を冷やすな、骨休めをしろ、贅沢は身を滅ぼす、
セックスは子作りのため、よく噛め、寝相を正し早寝早起き
が病気にならない秘訣、
として本を終えている。

食べて、子作りをして、死ぬのがいきものと。

確かにその通りだと思う。

しかし、、それを言うために師匠の論を持ち出して、
１冊の本にする、というのは、よく理解できない。

トンデモ本ではないはずだが、なんだかそういう印象を持ってしまった。

ひとつひとつおっしゃることはもっともなだけに、
その構成、持って行き方に疑問を覚えた。

序章 「胎児の世界」が指し示す生命の歴史
第1章 三木成夫だけが見抜いていた科学的な真実
第2章 ダーウィニズムからの脱却
第3章 三木成夫の生命の形態学を検証する
第4章 わが「重力進化学」は三木学説の発展形
第5章 「生命記憶」を探る巡礼の旅は終わらず
終章 人類が滅亡への渦から逃れるために