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戦場の軍法会議 日本兵はなぜ処刑されたのか 新潮文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2016/08/01 |
| JAN | 9784101283784 |

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戦場の軍法会議
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商品レビュー
4
5件のお客様レビュー
戦場での軍法会議をテーマにしたこの作品は、太平洋戦争中の日本兵の処刑に関する深い考察を提供します。敵前逃亡罪での処刑事例を追い、証拠が消失した中でも微かな手がかりを求める過程が描かれています。元法務官の証言や未公開資料をもとに、軍の圧力に屈した法務官たちの葛藤や、冤罪に苦しむ遺族の姿が浮き彫りになります。特に、戦争の影響を受けた一般市民に対する補償の不平等や、法の正義がいかにして脅かされたかが鋭く問いかけられています。これにより、過去の悲劇が現代にも通じる問題として浮かび上がり、読者に深い思索を促します。
※この内容はAIが作成したものであり、ブックオフ公式オンラインストアの見解や意図を示すものではありません。
戦争はいつの時代も悲劇しか生み出さない。戦禍で苦しい生活を強いられる人々も、傷つき亡くなった兵士も、その戦場に連れていかれる兵士を見送った家族にも、戦争が起こることによって、様々な立場の人々に苦しみや悲しみを与える。戦場ではミサイルや機関銃の砲弾が飛び交い、地雷が炸裂し、巨大な戦...
戦争はいつの時代も悲劇しか生み出さない。戦禍で苦しい生活を強いられる人々も、傷つき亡くなった兵士も、その戦場に連れていかれる兵士を見送った家族にも、戦争が起こることによって、様々な立場の人々に苦しみや悲しみを与える。戦場ではミサイルや機関銃の砲弾が飛び交い、地雷が炸裂し、巨大な戦車が傷付き項垂れる兵士の上をまるで虫を踏み潰すかの様に蹂躙していく。食糧が充分に与えられない様な、太平洋戦争時の南方方面では、敵と戦うことよりも自らが生き延びるための食糧を探さなければならず、常に兵士は飢餓による死と隣り合わせになる。太平洋戦争ではそうした飢えた兵士による人肉食の噂も絶えなかった。戦争には大義がある。旧日本軍で言えば西欧諸国からのアジアの解放であるとか、旧満洲国に見られるような東亜の共存共栄を理想として掲げるが、戦争末期の日本兵の差し迫った危機は、何とか食を繋いで生き延びることにあったかもしれない。潔く敵と戦い非業の死を遂げるという理想のストーリーを演じ切った兵士などはごく一部。圧倒的な火力差と飢餓の中で、人間の本能として生きる事を無意識的に選択する兵士たち。ジャングルを彷徨い口にできるものなら何でも食べ、それでも最終的には多くの兵士が飢えて死んでいった。その様な戦場がかつての太平洋戦争時、アジアの至る所にあった。人はその様な極限の状態に置かれてしまうと、倫理観や正常な判断能力を失ってしまうというのは誰もが想像付くことだろう。味方同士、罪も無い現地住人を殺害するなどの行為が繰り返されていたのは言うまでもない。そして本書のテーマでもある軍事裁判で不当に兵士たちが殺害されていく。 軍事裁判はその言葉通り、軍隊の規律や秩序を維持するため、軍人や軍属の犯罪行為を裁く軍法会議がそれにあたる。裁きの対象となるのは脱走や上官に対する命令違反、軍規違反などの軍事特有の犯罪である。裁くのは戦場に送られた法律を専門とする軍人であるが、前述した様な極限状態では裁きの対象となる兵士が多く発生するから、その混乱の最中、まともな裁判もされずに銃殺された兵士たちが沢山いた。本書はそうした処刑された兵士たちの実情と、戦後も取り残された家族にフォーカスし、実態を明らかにしようとするドキュメンタリー作品だ。NHKスペシャルで放映された内容を文書化したものとなっている。 2013年に出版され、それ以前に3年ほどの取材期間を経て調査されたようであるが、その時代においても既に戦後70年近くが経過しており、調査が困難を極めた事は言うまでもない。一介の兵士であれば戦争当時未だ若く存命している可能性もあるが、裁く側の法務官となればある程度の年齢を重ねた人物になるため、余計に生きている可能性は少ない。その様な中で関係者を探し出し、研究者の協力のもとで地道な調査が繰り広げられた。そうして様々な方面から得られたわずかな情報を基に推測され描かれていく悲劇の実態。何より犯罪者として処刑された兵士の家族が戦後も長く背負い続けた苦悩。ろくな裁判もされずに犯したかどうかもわからない罪で処刑された兵士もそうだが、それと同等、いやそれ以上に長きに渡り悲しみを背負い続けた家族の苦悩は想像に有り余る。 本書を読み終え、戦争の悲惨さや消えない悲劇を目の当たりにし、二度と再びあの様な悲劇を繰り返してはならないし、その実態を調査する事の困難さを改めて感じる。時代が進めば今後も一層それは難しくなり、戦争の記憶が世代を追うごとに薄れていってしまうのはやむを得ない(悲しみが共に薄れるのは良いことかもしれないが)。だが、それを忘れ過去の反省までをも失ってしまった時、再びあの様な悲劇を繰り返してしまわないか。そうした危機感も同時に抱いてしまう。NHK取材班の努力の成果により、軍法会議にまつわる悲劇の一端は明らかになったが、戦争全体のごく一部に過ぎない。我々後世に生きる世代は繰り返し学び、平和を維持し続ける努力を怠ってはいけない、反省を忘れてはならないと強く感じた一冊だ。
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軍法務官:馬場東作 戦争への強い嫌悪感を持ち、軍の暴走防ぐことを自らの責務と自負し、海軍法務官となった秀才。 しかし、戦争末期のフィリピンの戦場において、軍規維持を最優先とする軍の圧力に屈し、法の正義を守ることができなくなり、日本人軍人の処刑、フィリピン人の虐殺など大量の不当な処...
軍法務官:馬場東作 戦争への強い嫌悪感を持ち、軍の暴走防ぐことを自らの責務と自負し、海軍法務官となった秀才。 しかし、戦争末期のフィリピンの戦場において、軍規維持を最優先とする軍の圧力に屈し、法の正義を守ることができなくなり、日本人軍人の処刑、フィリピン人の虐殺など大量の不当な処刑に自ら加担していくことになる。 276 複数の元法務官が戦争被害を受けた一般市民による損害請求を国が退ける根拠になってきた受忍論の形成に関わっていた。 「戦争犠牲、戦争被害は国の非常事態の下では国民の等しく受忍しなければならないところであって、これに対する補償は憲法の全く予想しないところである」 元軍人が補償を受けているにもかかわらず、この受忍論によって、基本的に一般人の戦争被災者には保証がなされていないという矛盾。 同じく敗戦国となったドイツでは一般人の戦災者にも軍人同様に補償がなされている。
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法の正義、司法権の独立を守ろうとした法務官が、結局は統帥権に飲み込まれてゆき、それは現代まで、終わらざる軍法会議により処刑された兵士の遺族の苦しみとして、影を落としている。 旧軍の法務官制度の変遷や軍事司法の概要もわかる。 運用上というか、統帥の要求とのバランスに苦悩する法務とい...
法の正義、司法権の独立を守ろうとした法務官が、結局は統帥権に飲み込まれてゆき、それは現代まで、終わらざる軍法会議により処刑された兵士の遺族の苦しみとして、影を落としている。 旧軍の法務官制度の変遷や軍事司法の概要もわかる。 運用上というか、統帥の要求とのバランスに苦悩する法務というのは今も昔もある種変わらない面があるのだなぁ。
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