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冤罪 田中角栄とロッキード事件の真相
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冤罪 田中角栄とロッキード事件の真相

石井一(著者)

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冤罪 田中角栄とロッキード事件の真相

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 産經新聞出版
発売年月日 2016/07/01
JAN 9784819112871

冤罪

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商品レビュー

3.6

6件のお客様レビュー

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2021/05/31
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 政治家というと、オヤジ・金に汚い・声だけでかい等々、私にとっては余りよいイメージはない。不信感という単語しか思い浮かばない。  しかし本書の第一印象は、政治家のそれに反し、なかなか良かった。率直に申し上げると、書きぶりが非常に真摯かつ誠実、しっかりとした調査と論証に基づいていたからだ。  昭和50年生まれの私にとって、物心ついたときには田中角栄はすでに院政状態で、テレビでも見かけることはあまりなかった。現在の令和ともなると、もはや歴史上の人物である。しかしながら、本作品の舞台はたった50年前の日本である。ついこの前であった昭和時代に、恐ろしい不正が起きていることに愕然とせざると得ない。  本書のメインテーマ、ロッキード事件だ。これが冤罪であるという。ロッキード事件での田中角栄の錠剤は受託収賄罪であった。この罪状が成立するにあたっては三つの条件があり、1.請託があり、2..金銭の授受および日時が確定され、3.職務権限がある、がそろわねばならないとしている。  ロッキード社から『ねえ買ってよー、お金こっそりと個人宛てで渡すからからさあ』とお願いがあり(請託)、実際にロッキード社から田中側にお金が渡された時間と場所が確定でき、そして田中角栄が権限者として『よっしゃ、したら航空機購入はオタクの会社で決定ぃー』と決めることができる、という三つがはっきりしているかだ。  しかし、このどれもが成立しない代物であった。    詳しい内容は本書に譲るが、検察の無理くりストーリー、それを許してしまう裁判所、更には状況に火に油を注ぐごとくワンサイド報道をしたマスコミ。この三者で誰もが罰を受けていないのであるから、本件のごとき事件は再び(ひょっとしたら我々の身の上にも)起こりうることなのだ。そう考えると背筋が寒くなる思いになる。  不正な検挙や裁判が起こってしまった背景(というか発端)は米国である。陰謀論的にまことしやかに言われる、田中角栄ははめられたというのは、本書を読む限りでは夢物語ではないと実感する。筆者が試みる関係者との面談はことごとく潰され、口を割ると殺されるといって話してもらえない。  事実は米国公文書館(NARA)での資料公開等を待つほか無いのかもしれないが、本書を読む限りは米国の政治的意図は明らかであろう。  法治国家でこのようなことが可能なのかと言われるが、それこそがインテリジェンスの存在意義であり、逆に日本の外交が弱いところでもあろう。 ・・・  まとめると、昭和最大の疑獄事件であったロッキード事件について非常によく書かれた本だと思う。後半には戦後の天才政治家への回想が幾分続くものの、基本的にはジャーナリスティックに真摯に書かれた作品に思う。 私は陰謀論的な背景から読んだものの、日米近現代史を学びたい方、インテリジェンスに興味がある方、政治について興味がある方にもにお勧めできると思う。

Posted by ブクログ

2017/05/02

よく分かっていなかった、ロッキード事件がよく分かった。 田中角栄を追い落としたい三木さん、アメリカのいいなりにならず中国と友好関係を結んだ田中角栄に憤怒の念を持っていたキッシンジャー、社会の正義として金権政治の象徴の田中角栄を懲らしめたい検察、哨戒機P3Cのことについて触れられた...

よく分かっていなかった、ロッキード事件がよく分かった。 田中角栄を追い落としたい三木さん、アメリカのいいなりにならず中国と友好関係を結んだ田中角栄に憤怒の念を持っていたキッシンジャー、社会の正義として金権政治の象徴の田中角栄を懲らしめたい検察、哨戒機P3Cのことについて触れられたくないロッキード社、これらの登場人物の利害が一致したのが、田中角栄の逮捕だったんだなぁ。 石井一氏は少し前の国会の答弁を見て、いい感情を抱いてなかったんだけど、少し印象変わりました。 しかし、この時から裁判に関する問題点と言うのは変わってないよね。恥ずかしく思います。

Posted by ブクログ

2016/11/13

田中角栄ブームの中で一冊読んでみた。 ロッキード側の証拠書類の誤送から始まり、法律的にも嘱託尋問+日本の刑事訴訟法にない免責を与え贈賄側に証言(それに反対尋問まで許されない)と言う、全くデューデリジェンスを無視した捜査で田中を捕まえた。 米国国務長官のキッシンジャーが韓国系記者...

田中角栄ブームの中で一冊読んでみた。 ロッキード側の証拠書類の誤送から始まり、法律的にも嘱託尋問+日本の刑事訴訟法にない免責を与え贈賄側に証言(それに反対尋問まで許されない)と言う、全くデューデリジェンスを無視した捜査で田中を捕まえた。 米国国務長官のキッシンジャーが韓国系記者から「ロッキード事件はあなたが仕掛けたものか?」の質問に対して、"Off course(もちろん)"という回答があったとは、この本で初めて知った。

Posted by ブクログ

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