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残夢の骸 満州国演義 九 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2016/08/01 |
JAN | 9784101343280 |
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残夢の骸
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商品レビュー
4.2
8件のお客様レビュー
大長編をとうとう読了。満州や昭和1ケタ代というロマンあふれる背景に始まったこの物語。エロチックなシーンもずいぶんあったものだけど、最後は日本軍の至らなさを見せつけられるばかりで何ともお粗末な様相を背景に幕を閉じた。 敷島4兄弟も前巻で世を去った次郎に続き、敗戦を迎えた三郎と太郎も...
大長編をとうとう読了。満州や昭和1ケタ代というロマンあふれる背景に始まったこの物語。エロチックなシーンもずいぶんあったものだけど、最後は日本軍の至らなさを見せつけられるばかりで何ともお粗末な様相を背景に幕を閉じた。 敷島4兄弟も前巻で世を去った次郎に続き、敗戦を迎えた三郎と太郎も相次いで死んでいった。三郎は昔とほぼ変わらぬ性格・気性のまま命を落としたけど、太郎はいつのまにかずいぶん卑屈になって最期は自ら生命を断った。四郎だけが生き残り、日本に引き揚げたんだけど、兄3人が悲惨ながらも人生を総括し覚悟を決めて死んでいったのに対して、四郎が死ななかったのはそこまでの覚悟がなかったからといえるかもしれない。最後まで危なっかしい末っ子・四郎くんだった。
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血と歴史は必ず連続する。それが人であり、民族であり、国なのかもしれない。ただ、その繋がりは、単に事実の積み重ねだけではない。事実の隙間を埋める感情が、暗黙の了解となり、虚構という歴史像をまた結ぶのだ。 わずか13年という短命に終わった満州国は、上記をこれでもかと凝縮した歴史を放っ...
血と歴史は必ず連続する。それが人であり、民族であり、国なのかもしれない。ただ、その繋がりは、単に事実の積み重ねだけではない。事実の隙間を埋める感情が、暗黙の了解となり、虚構という歴史像をまた結ぶのだ。 わずか13年という短命に終わった満州国は、上記をこれでもかと凝縮した歴史を放った。そこに生きた4人、いや5人は、それぞれ闇を抱えたまま、ある者は生を閉じ、ある者は行く当てもなく歴史を彷徨う。ただ、彼らの血もまた次へと繋がっているし、彼らの歴史はまた血と関係なく続いていくのだろう。その始まりの寸前で小説が終わることで、満州国の、歴史の、人の、儚さと連続性が浮かび上がってくる。 船戸与一、見事なり。
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平家蛍の灯 波浪さらに荒々しく 鉄格子の向こうから シベリアの妖雲 嵐が収まったあと 過ぎゆきし夏 未明の点滅 著者:船戸与一(1944-2015、下関市、小説家) 解説:井家上隆幸(1934-、岡山県、文芸評論家)
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