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おかしな男 渥美清 ちくま文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2016/07/01 |
JAN | 9784480433749 |
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おかしな男 渥美清
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おかしな男 渥美清
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商品レビュー
4.3
7件のお客様レビュー
渥美清さんがプライバシーを大切にする方だとは知っていました。この本は、そんな渥美さん(田所康雄さん)が売れない時代から付かず離れず冷静に見ていた小林信彦さんの記録。 渥美さんイコール寅さんでは無いことが良くわかるけど、やっぱり魅力があるひとですね。
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(01) 不気味なぐらいおかしな渥美清が、本書に再現されている。 1961年のテレビ番組を通じて、著者は渥美に出会い、死の8年ほど前、コメディ映画(*02)の試写会場での再会が1988年であるから、昭和の後半、高度経済成長からバブル経済までが、彼らの時代でもあった。その交流には濃...
(01) 不気味なぐらいおかしな渥美清が、本書に再現されている。 1961年のテレビ番組を通じて、著者は渥美に出会い、死の8年ほど前、コメディ映画(*02)の試写会場での再会が1988年であるから、昭和の後半、高度経済成長からバブル経済までが、彼らの時代でもあった。その交流には濃淡があり、二人の青春から壮年にいたろうとする頃、代官山のアパートで夜を「語り」明かした蜜月には美しさすらある。 渥美が寅さんに固着し、国民的存在となるについて、その交流は冷めていくのであるが、喜劇や映画の斜陽、そしてあれほど食い入ったテレビからも離れていこうとする国民が、アウトローを「天使」のような寅さんに昇華させたのであろう。 (02) 本書は戦後喜劇史としての側面もある。終盤では松竹の映画と舞台の衰退があり、渥美清と藤山寛美がそれぞれの最後の担い手(*03)でもあったが、クレージーキャッツのハナ肇、植木等、谷啓をはじめ、榎本健一、フランキー堺、ミヤコ蝶々、伴淳三郎、森繁久弥、小沢昭一、前田武彦、青島幸男ら喜劇人たちも登場し、山田洋次だけでなく、野村芳太郎、森崎東、羽仁進、今井正、三國連太郎、森川信、佐藤蛾次郎、後藤久美子、三崎千恵子ら映画人や俳優たちも見え、昭和の後半を賑やかす芸能界が活写される。しかし、やくざで怪しげな暗さを持った渥美がその芸能の華やかさを相対化することで、その馬鹿騒ぎの虚無が際立つことになる。 (03) 「男はつらいよ」シリーズの主役である車寅次郎を演じる者として、渥美の地位は一応不動のようにも見える。しかし、著者の個人的なメモに再現される喜劇史の通覧からは、主役というものの微妙さ、渥美の喜劇役者としての特性、むしろエキセントリックな「珍演」を封じることで保守的な主役が不動になる矛盾が解き明かされる。渥美の観察や記憶、その仄暗い出自、そして欠陥のある渥美の身体などが、良くも悪くも「寅さん」人気の中で費消されてしまうところには、昭和どころか20世紀の闇が垣間見えている。
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小林信彦による体験的評伝。寅さんだけが渥美清ではないという部分が非常に興味深かった。 見巧者としての渥美清も非常に面白い。そして、小林信彦のあくの強さは、自分が見巧者であるという意識から生じていることもよくわかった。
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