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日本の石油化学産業 勃興・構造不況から再成長へ
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 名古屋大学出版会 |
発売年月日 | 2016/07/01 |
JAN | 9784815808426 |
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大学院の「産業史特論」という授業で使ったテキスト。 大学院の授業は比較的余裕があり、100分の授業が週に6コマある。私は人事労務管理の研究室に入っており、6コマのうち、1コマはゼミ、1コマは人事労務管理に関しての「経営労務特論」と呼ばれるもの。2コマは外国文献の講読の授業で、1つ...
大学院の「産業史特論」という授業で使ったテキスト。 大学院の授業は比較的余裕があり、100分の授業が週に6コマある。私は人事労務管理の研究室に入っており、6コマのうち、1コマはゼミ、1コマは人事労務管理に関しての「経営労務特論」と呼ばれるもの。2コマは外国文献の講読の授業で、1つは英語、1つはドイツ語の授業を選択した。このあたりまでは、ほとんどマストに近い授業選択であるが、他の2つは、自分の好みと時間割の都合の良さを考慮して選択した。2のうち1つは「経営心理学特論」という授業で、もう1つがこの授業である。 経営学の中に「産業史」という学問分野があることも知らなかったのであるが、扱うのは日本の産業史ということであり、日本の経営史に興味があったので、選択した。どの産業、どのテキストを用いるかは、クラスが始まってから、先生と相談しながら「石油化学産業」に決まった。私自身、「石油化学産業」に身を置いていた経験があるので、なじみのある分野でもあった。 テキストは、第二次大戦後から、近年までの石油化学産業の歴史に触れているが、主に触れていたのは、当時の通産省による石油化学産業に関わる産業政策である。日本に戦前から石油化学産業が発展していたわけではなく、戦後になって欧米から技術導入の形で産業を興したのであるが、戦後間もなくの日本に潤沢な外貨があるわけでもなく、少ない外貨のやり繰りをするために、通産省は、「どの産業を優先するのか」と同時に「産業の中では、どの会社に外貨を割り振るのか」を決める権限を事実上持っていたし、それを決める責任を有している立場であった。一方で業界側は、当初は指導に従っていたが、日本に外貨の蓄積が出来、また、石油化学産業が利益率の高い産業であることが分かってからは、多くの企業がエチレンセンターへの投資の許可を求めることとなり、通産省側と業界側、あるいは、業界内でのやり取りが活発となっていく。結局は、それでも、過剰設備に陥り、不況カルテルを構成しなければならなくなっていくのであるが、そういった経緯が丁寧に描かれていて、読み物としても、結構面白いものであった。 エチレンセンターが日本国内で今後成長する、更に増設されることは、普通に考えればあり得ない状況であるが、それでもエチレンセンター企業は、他の製品開発に活路をみつけ、今でも存在感のある形で残っている企業も多い。そのあたりのことを記述したのが後半にあたるが、こちらの方は各社各論過ぎて、今一つ分かりにくかった。 トータルとしては、この授業を選択し、この書籍を読むことが出来て良かったと思う。
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