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学力・心理・家庭環境の経済分析 全国小中学生の追跡調査から見えてきたもの
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 有斐閣 |
発売年月日 | 2016/06/01 |
JAN | 9784641164734 |
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学力・心理・家庭環境の経済分析
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商品レビュー
3.5
6件のお客様レビュー
思ったより学術的で、調査の設計や分析にページを割いてるので、手っ取り早く結果を知りたいなら章あたまのoverviewだけよめばいい、と半ば過ぎてきづく。まあそうでしょうね、という内容が多いけど、データできちんと裏付けを取ることは大事。あと、相関関係と因果関係の違いも。 で、やっ...
思ったより学術的で、調査の設計や分析にページを割いてるので、手っ取り早く結果を知りたいなら章あたまのoverviewだけよめばいい、と半ば過ぎてきづく。まあそうでしょうね、という内容が多いけど、データできちんと裏付けを取ることは大事。あと、相関関係と因果関係の違いも。 で、やっぱ問題なのは、高所得層内での学力差の開き方より低所得層内での学力差の開き方が大きい、というところかと。高所得層では、できの悪い子でも教育投資を増やすことで、成績上げる作用が働くけど、低所得層ではそれがない。 あと、他で見た気もするけど、親の学校参加が学力にプラス効果ってのは面白い。 子どもの心理に関するデータはもっとほしいところ。 しかし回帰分析とか、何回読んでも覚えないな自分、、
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親の経済力が子どもの学力に大きな影響を与えるというのは、理屈から考えても経験から考えてもゆるぎない事実であると思うが、そうでないとする著書があると知って、さっそく読んでみた。 以下引用。 第3章 親の経済力と子どもの学力 「本章では、子どもの成長段階ごとに世帯所得や父母学歴と子...
親の経済力が子どもの学力に大きな影響を与えるというのは、理屈から考えても経験から考えてもゆるぎない事実であると思うが、そうでないとする著書があると知って、さっそく読んでみた。 以下引用。 第3章 親の経済力と子どもの学力 「本章では、子どもの成長段階ごとに世帯所得や父母学歴と子どもの学力の間の相関関係が異なることを明らかにした。本章の分析を要約すると、世帯所得が学力に与える影響は小学校低学年よりも高学年、中学生段階でプラスの効果があり、子どもが中学生の場合においては、所得階層がより高い世帯で学力にプラスの効果があることが明らかになった。…推定の結果、世帯所得が学力に与える影響は、統計的に優位な差をもたらすほど大きなものではないことが明らかになった。これはクロスセクションデータを利用した分析で示された世帯所得が子どもの学力に与える効果が必ずしも因果関係とはいえず、見かけ上の相関であったことを示唆する結果である。」 第4章 学力の所得階層内格差 「多くの先行研究では、所得水準や家計の社会・経済背景が、個人の平均的な学力水準に与える影響が検証されてきた。本章では、こうした視点に加え、世帯の経済状態が同一階層内における学力格差に与える影響を検証した。 恵まれた家庭環境にある子どもは、学校外教育の機会や家庭内における良好な学習環境などの要因を通じて、平均的には高い学力を獲得する可能性が高い。同時に、学力水準を向上させる効果が、相対的に学力水準の低い子どもに対して、より有効に働くのであれば、恵まれた家庭環境にある子どもたちの中での学力水準の格差は、そうでない場合と比較して、縮小する傾向がある。 JCPSを用いた分析の結果、他の要因を一定に保った場合の学力指標の分散は、世帯の所得水準が同一であるような子どもたちの中での学力水準の格差は、世帯所得が高くなるにつれて縮小することになる。この結果は、所得水準の上昇が、平均的な学力水準を向上させるだけでなく、母集団における学力格差を縮小する効果を持ちうることを示唆している。いくつかの補足的な検討の結果、こうした格差縮小効果の背後には、親による教育投資や家庭内における学習環境の整備などの要因が影響していることが明らかになった。また、格差縮小効果が、子どもの学年に応じてどのように変化するかを見ると、科目によって異なる傾向が見られた。」 補論 回帰分析とパネルデータの基礎 「平均値の比較は、学力格差の現状を把握するための重要な第一歩ではあるものの、こうした比較のみで、世帯所得が子どもの学力に与える影響を判断することは難しい。たとえば、高所得の世帯には、教育熱心な親が多く、それが子どもの学力水準を向上させる効果を持っているかもしれない。あるいは、学歴が高く、高所得の親のもとに生まれた子どもは、生まれつき高い認知能力を備えているかもしれない。これらは理論的な可能性に過ぎないが、重要なのは、単純なテストスコアの平均値の比較からは、世帯所得の上昇がもたらす影響とを区別できないという点にある。上記の例でいえば、仮に高所得の世帯の子どもたちの平均点が、そうでない子どもたちの平均点と比べて高かったとしても、それは世帯所得の高さによるものなのか、親の教育方針や子どもの遺伝的資質の違いによるものなのか、区別ができないことになる。 上記の例から明らかなように、子どもの学力と家計の経済状況の関係を明らかにするためには、学力に影響を与えうるその他のさまざまな要因を一定に保ったうえで、その影響を統計的に検証することが必要となる。」 読後感として、正直腑に落ちないところが多かった。その他のさまざまな要因としているものが、もちろん先天的な点は除いたとして、結局家計の経済状況が大きく影響しているとしたら、結局家計の経済状況が学力格差をもたらしているということのような気がしてならないからだと思う。
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経済格差が学力格差を生んでいる、と、漠然とした認識が世間にはあるが、それは本当なのか?を、追跡的に集めたデータで紐解いていく。データ収集の難しいテーマで、完全に突き詰められてはいないとの吐露があったが、内容は非常に興味深かった。 所得と学力は、相関関係であるが因果関係はない。小学...
経済格差が学力格差を生んでいる、と、漠然とした認識が世間にはあるが、それは本当なのか?を、追跡的に集めたデータで紐解いていく。データ収集の難しいテーマで、完全に突き詰められてはいないとの吐露があったが、内容は非常に興味深かった。 所得と学力は、相関関係であるが因果関係はない。小学校高学年になると成績の順位が固定化する。問題行動に親の学歴や所得は影響していない。などなど、データにより明らかにされる。要望があるとすれば、、、変数が多く、また、影響が絡み合ってるので、モデル化してもらえたら、理解がしやすかった。
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