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元老 近代日本の真の指導者たち 中公新書2379
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2016/06/01 |
JAN | 9784121023797 |
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元老
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歴史の教科書では「護憲運動を阻害した老害」とのイメージしかわかないインフォーマルな集団「元老」についての解説本。明治~昭和初期において政界に影響力を及ぼしたこの集団について細かい注釈を加えながら丁寧に説明している。 この本で特に惹かれるのは元老内での人間模様を細かく描写して...
歴史の教科書では「護憲運動を阻害した老害」とのイメージしかわかないインフォーマルな集団「元老」についての解説本。明治~昭和初期において政界に影響力を及ぼしたこの集団について細かい注釈を加えながら丁寧に説明している。 この本で特に惹かれるのは元老内での人間模様を細かく描写していることだろう。一般的には元老というと大正期の「護憲運動の敵」としての山県有朋、もしくは昭和初期の「首班指名のご意見番」としての西園寺公望のイメージしかないだろう。しかしこの本では元老の形成過程での伊藤博文・山県・黒田清隆の権力争いや明治天皇の政治的志向、大正期の桂太郎・大隈重信と元老の一部との対立、昭和期に入ってなぜ西園寺が元老を補充せず終焉に導いたかなど、元老を取り巻く人間関係はさながら大河ドラマを見ているようで面白い。 更には元老が必ずしも世間から「絶対悪」とはみなされていなかったことも興味深い。当時の新聞には必要悪として存続を認めるばかりでなく、元老の指導力の発揮すら求めた時期がある。また平民宰相と名高い原敬も山県との連携を密に保ち、山県が宮中某重大事件で窮地に追い込まれた時には助け舟を出すなど、世間や時の政権が受容する立場にあったこともあるという点は新しい視点だった。 理想を言えば一部の人間に権力が集中しない完全な民主主義こそが理想なのだろう。しかし世の中は(この現代であっても)そう理想論通りにはいかない。その中でどのような体制が国家を維持するための最適解なのか。この本は元老という制度を通してこの時代が出した「解」を教えてくれたように感じた。
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元老と呼ばれる戦前日本の政治指導者たちを肯定的に捉え直した一冊 要は、彼らは明治維新を経て近代立憲制を日本に定着させてゆく黎明期において、大日本帝国憲法のシステム運用上の機能不全を回避すべくインフォーマルに立ち回り、政党内閣誕生で結実する立憲国家への道を舗装していったという。 ...
元老と呼ばれる戦前日本の政治指導者たちを肯定的に捉え直した一冊 要は、彼らは明治維新を経て近代立憲制を日本に定着させてゆく黎明期において、大日本帝国憲法のシステム運用上の機能不全を回避すべくインフォーマルに立ち回り、政党内閣誕生で結実する立憲国家への道を舗装していったという。 具体的には、総選挙で民党が影響力を持つ過程で政党政治を求める世論の高まりを理解しつつも、政権運営能力のない政党に国家運営を任せることの懸念から、政党側に実務運営ノウハウをゆっくりと身につけさせる「自転車の補助輪」の役割を果たした。(例えば、第1次大隈内閣、立憲政友会の創設等) 確かに上からの改革でしかないという批判も当たるが、当時の日本を取り巻く国際状況や国内状況を踏まえると、形式上の制度が機能するまでの間は中長期的ビジョンを持った非公式のエリートが微調整をする必要性があったのかもしれない。
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愛国だけでなく国際感覚を持っていた元老たち。 異なる藩からの集まりでよくまとまった。今の日本とは大きな違い。 庶民よりも裕福な暮らしであったが、今の独裁者たちと比べれば質素。それが明治天皇の言葉からというのも面白い。
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