FTA・TPPの政治学 貿易自由化と安全保障・社会保障

大矢根聡(編者), 大西裕(編者)

• 販売会社／発売会社: 有斐閣
• 発売年月日: 2016/06/01
• JAN: 9784641149151

商品レビュー

2017/02/08

トランプ新大統領の誕生以降、環太平洋経済連携(TPP)協定が再び注目を集めています。このTPP（あるいはTPPを一形態とする自由貿易協定FTA）問題について理解を深めたい、そんな方にお薦めするのが本書です。

日本でも盛んに論じられているように、TPP／FTA加盟の是非は各国で政治問題と化しています。このようにTPP／FTAをめぐる軋轢が政治・外交問題に発展しているのはなぜなのか、この問いに政治学（比較政治学・国際政治学）的な見地から取り組んでいるのが本書になります。

TPP／FTA問題についての国別（日本、アメリカ、中国、韓国、オーストラリア、ASEAN）の政治動向が明らかにされているだけでなく、この問題が国際関係（日米関係、日中関係、日韓関係）のあり方に与えた影響も検討されています。貿易政策だからと言って経済的な利害勘定だけで事が動いていたわけではなく、国際的な安全保障の観点や国内的な社会保障の観点が強く働いていた様子を読み取れるのではないでしょうか。テレビや新聞で報じられてきたことを異なる角度から捉え直すきっかけになり、新たな理解を与えてくれる書物となるように思います。

（ラーニング・アドバイザー/国際　OYAMA）

▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?bibid=1706909

2016/12/31

FTA、TPPなどの貿易自由化を巡って、経済的ではなく国際安全保障、国内社会保障の観点から日米中韓豪ASEANがどのような政策を取ってきたか、日米、日中、日韓の二国間関係がどう変化してきたについて書かれてる。