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違和感の正体 新潮新書667
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2016/05/01 |
| JAN | 9784106106675 |

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違和感の正体
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商品レビュー
3.6
17件のお客様レビュー
パラパラとページをめくっていたら、「古くて新しい沖縄問題への論点」の節でヨシモト先生(吉本隆明)が出てくる。何だか読む気がなくなる。ソクラテスの「ダイモニオンのお告げ」ではないが、ヨシモト先生の話を聞くと、わかっているつもりの話がわからなくなる。結果、現実的行動をしなくなる。とい...
パラパラとページをめくっていたら、「古くて新しい沖縄問題への論点」の節でヨシモト先生(吉本隆明)が出てくる。何だか読む気がなくなる。ソクラテスの「ダイモニオンのお告げ」ではないが、ヨシモト先生の話を聞くと、わかっているつもりの話がわからなくなる。結果、現実的行動をしなくなる。というより、何もしないことの免罪符を得たような気がしてしまう。 さて、著者はこう述べる。 <今回の基地移設問題で言えば、政府の対米追従を批判し沖縄差別論を書き立てるのは、民族主義と弱者同情にすぎないと、吉本に否定されるでしょう。彼らは国家権力を否定したつもりになっているのかもしれない。基地問題を押し立てて「つながり」合い、人びとはアメリカに怒りを感じ日本を過剰に意識している。・・・ 返す刀で、自民党の振興策にすがる立場に対しても、それは自らを辺境や弱者として規定しているからダメだ、と斬ったはずです。つまり吉本は、本章冒頭で引用した二大新聞、いずれの立場にもおそらく立たなかった。権力と反権力、強者と弱者という二分類を断固拒否したことの重要性は、いくら強調しても強調しすぎることはありません。 戦争体験で容易く何かを信じることの恐怖を味わった吉本は、人間が如何に弱々しい存在であり、信じたものに引きずり回されてしまうかに敏感だったことが重要です(こういうとき、弱いということばを使うべきです)。> ヨシモト先生が戦時中に「軍国思想」に洗脳され、そのままの状態で、戦後にいきなり180度反対の「自由と民主主義の世界」に放り出されたことは、苦しい体験であったらしい。精神的苦労を経て、二分された世界において、どちらにも安易に組みしないぞ、という教訓を学んだと思われる(「反原発異論」は例外だったか)。それはともかく、ヨシモト先生の考え方が正解としても、問題はそういう微妙な考え方ができる人はそうザラにいないということ。古今東西、大衆は単純に信じ、信じたものに引きずり回されてしまうのが常である。思想的にエライ立場から、そういう大衆を腐していても一向に世の中は好転しないと思うが、ではどうしたらよいかもわからない。 お終い
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「ものさしの不在」「処方箋を焦る社会」をキーワードに、二項対立や型にはまった価値観に対して筆者が覚えた違和感について、歴史や思想家のことばを参照しながら考える。 現代日本は「普遍的な価値や真理」が存在しない相対主義の時代、各人バラバラに正解を導き出す必要がある。その困難と不安に耐えきれず、「反原発」や「アメリカ批判」といったわかりやすいスローガンについ飛びついてしまう。そして、友と敵を明確に分け、敵対する勢力を排除することで友=つながりを強固にしようとする。しかし、自分の考える「正義」を声高に叫ぶのではなく、微妙な均衡点を探りだし新たな秩序をつくりあげるために、理解困難な他者と粘り強く交渉を続けなければならない。 本書で紹介されている思想家のなかで、「自分の価値観の主張はエゴイズムである」と自己の限界を意識した「現実主義者」高坂正曉、自分の正義感を自問し続けた吉本隆明、日々の生活のなかで問題を解決し続けること、秩序を維持し続けることこそが「政治」であると考えた江藤淳に興味を覚えた。
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2023/10/12読了 正しい言説正しい情愛といえども、笑いを失えば不正となる。 自らの正義に疑問を持たない人を啓蒙することは極めて難しい。 知性は必ず弾力性を失い、自分を信じすぎてしまう。そうなるとイデオロギーになる。知性主義となる。
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