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雷の波濤 満州国演義 七 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2016/06/01 |
JAN | 9784101343266 |
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雷の波濤
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
大長編も7巻目となった。時代はとうとう1941年12月8日に至り終わりも近い。描かれるのは戦いの場面が多くなり、男女が入り乱れたりするシーンも減っていまいち面白くない。 解説(高野秀行)の船戸作品分析がなかなか秀逸。「(作者の船戸さんは)舞台をどこに定めても大枠の「現実」を勝手に...
大長編も7巻目となった。時代はとうとう1941年12月8日に至り終わりも近い。描かれるのは戦いの場面が多くなり、男女が入り乱れたりするシーンも減っていまいち面白くない。 解説(高野秀行)の船戸作品分析がなかなか秀逸。「(作者の船戸さんは)舞台をどこに定めても大枠の「現実」を勝手にいじらない。架空の政治家や政党、反政府ゲリラなどは一切登場させない。~中略~ 半面、実在の人物は直接書かない。それがイランのホメイニ師であれ、幕末の榎本武揚であれ、登場人物の会話や地の文にこそ垣間見えるが、彼らの内面が描かれることはない。内面どころか見た目の描写さえない。おそらく、見た目を描写すると内面も透けて見えてしまうからだろう。」(p.684)とか、各巻の解説を読んできたので敷島4兄弟(それにしても太郎、次郎、三郎、四郎という名づけ方は何という短絡さ。フィクション感を醸すためだろうか)の末路もそこはことなく知っているんだけど、本巻の解説の「船戸作品の登場人物が最後にはほとんど死んでしまうのも、彼独特のニヒリズムだけが理由ではなかろう。「自分が創ったものは自分で始末しなければいけない」――それもまた船戸さんの流儀の一部なのだと思う。芝居が終わったあと、舞台は前の状態に戻さねばならないということだ。」(p.684)を読んで何だか納得。次巻以降を楽しむ視点がひとつ増えたような感じ。
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不安が緩慢とともに北の大地に残る中、狂騒は絶望を無視して南へ。現在から振り返るからこそわかるこのうねり、当時を必死に生きる人にはやはり抗えない波だったんだろうか。いや、女を囲うその傲慢さに、戦勝の報に溢れるその顔の緩みに、何かを感じて動く余地はあったのでは。いやいや、これこそが現...
不安が緩慢とともに北の大地に残る中、狂騒は絶望を無視して南へ。現在から振り返るからこそわかるこのうねり、当時を必死に生きる人にはやはり抗えない波だったんだろうか。いや、女を囲うその傲慢さに、戦勝の報に溢れるその顔の緩みに、何かを感じて動く余地はあったのでは。いやいや、これこそが現在を高みに思う歴史の闇か。
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- ネタバレ
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長かった。 私事のバタバタやお盆休みを挟んだとはいえ、読み始めから読了まで1ヶ月もかかったのは、ひさしぶり。でも、間違いなく面白い1冊。 日本軍部が太平洋戦争へとひた走る狂気の時代。 局所局所で無能な司令官が愚策を呈し、軍部や政界の勢力争いが、国を破滅の途へと誘って行く・・・。 ★4つ、8ポイント。 2018.08.27.新。 ※巻末解説文より。 敷島四兄弟が主人公なのではない、「満州国」こそが主人公なのだ・・。 納得。
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