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高校生が見たサハリン・樺太 中央大学杉並高校研修旅行の記録 125ライブラリー9
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央大学出版部 |
発売年月日 | 2014/03/28 |
JAN | 9784805727089 |
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高校生が見たサハリン・樺太
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研修旅行、つまりは修学旅行の目的地を「サハリン・樺太」に設定した学年団の先生たちの苦労や生徒たちの感想、事前・事後学習の内容などの記録。 修学旅行で平和学習と言えば、広島、沖縄が定番で、さらには沖縄と言えばマリンスポーツも出来てリゾート的な要素もあるので花があるし、目的地とし...
研修旅行、つまりは修学旅行の目的地を「サハリン・樺太」に設定した学年団の先生たちの苦労や生徒たちの感想、事前・事後学習の内容などの記録。 修学旅行で平和学習と言えば、広島、沖縄が定番で、さらには沖縄と言えばマリンスポーツも出来てリゾート的な要素もあるので花があるし、目的地としては選びやすいのだけれども、「ガマの見学のあとに青い海に入って騒ぐ」(p.8)というのも、確かに違和感を覚える。修学旅行の要素として、仲間と楽しい思い出を作るというのもあるべきなので、それはそれでいいと思うが、この学年団ではそれよりも何かを学ばせる、ということにかなり重点を置いているらしい。だから「研修旅行」と呼んで、事前・事後学習をかなりガッツリやる、という話。 確かにサハリン・樺太で「終戦後に地上戦があり多くの日本人が亡くなっている」(p.13)というのは、はっきり言っておれもよく知らなかった。宮沢賢治の「代表作である『銀河鉄道の夜』は、賢治がサハリン滞在中にひらめいた発想をもとに書かれていると言われています」(p.48)というのも、全然知らなかった。でも「みなさん、これが最後です。さようなら、さようなら」という最後の通信を残して自殺した9人の女性電話交換手の話は、なんか聞いたことがあるなあと思ったくらいだった。引揚者の山影夫妻の話の記録が興味深い。サハリンの生活の様子なんて知ることもなかったし、それに「人間、いざとなるとわが身が大事なのだ」(p.64)という、極限の状況での人の言動を、経験として語られると、説得力がある。 おれも教員なので、何というか、あらためて教員というのは増やそうと思えば限りなく増やせる仕事だなあ、とか思った。映画監督や大学の先生など、色んな人に話を頼んだり、そもそもわざわざ研修先に苦労の多い海外、しかも樺太・サハリンを選ぶ、というのが凄いし、覚悟のいることだと思う。それでも、何かを学ばせたいとか、経験させたい、といった思いの強さで、どこまでも苦労できる、動いていけるというのが、教員という仕事の醍醐味なんだと思うし、それを味わっているこの先生たちは幸せなんだなと思う。あとはその生徒たちも。学年団によって差があったり、そもそもグループ分けして目的地が違ったりすることに、不公平感が生まれないのかとか、どう対処しているんだろう、とかいう疑問は残ったけれど。 全体としては、なんか学校の紀要に載りそうな感じで、事細かに、学校と学年団でもめる話とか、講演の依頼メールとか、フェリー会社の人が生徒たちに宛てて書いたブログとかは、読者としては別にいらないかなと思った。(16/10)
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