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私立中学・高校生活指導の法律相談 教育現場と法の対話
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 旬報社 |
発売年月日 | 2016/04/01 |
JAN | 9784845114597 |
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私立中学・高校生活指導の法律相談
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現役の私立中高の先生と、弁護士の先生たちで書かれた本。私立学校現場で起こるいじめ、不登校、登下校中の迷惑行為、非行、授業中・部活中・休み時間に起こった事故などの問題が、法律の観点からどう解釈されるかを議論し、学校としての対応の方向性を考えるもの。この本のユニークな点は、学校や教...
現役の私立中高の先生と、弁護士の先生たちで書かれた本。私立学校現場で起こるいじめ、不登校、登下校中の迷惑行為、非行、授業中・部活中・休み時間に起こった事故などの問題が、法律の観点からどう解釈されるかを議論し、学校としての対応の方向性を考えるもの。この本のユニークな点は、学校や教員の責任がどの程度のものなのかをあるケースに即して具体的に述べられていることと、もう1つは教員が直接責任を負う立場となってしまう私立学校での場合に焦点があてられていること。 特に法律的な解釈の部分では、ネット上への不適切な写真の掲載をめぐって、たとえ本人の同意があったとしても、「撮影された対象者が未成年者であることを考えると、掲載されることの影響、とくに不利益について、適切な判断が常にできるわけではないと思います。だから、(略)撮影された本人に不利益を与えるような内容をLINEに流したりすることへの許可は無効とされるべき」(p.41)という考え方が、やっぱりそうかと思った。中高生の場合は、許可を取りさえすればいい、というものではないということが分かる。また、「いじめ」の定義は難しいが、一つの基準として「相互性」、「攻撃される対象者の特定性」、「継続性」(p.68)を利用する、というのも使える視点だと思う。 法律面の話もそうだが、いじめや反抗期の問題に関しては、生徒や親に話したいと思う内容もあって、参考になった。第1章の「思春期の生徒たちと生活指導」という部分は、思春期、反抗期の特質、その意義について語られている部分で、この辺は保護者会で親に言いたい。また、各テーマの議論の前には「教育の眼」というコーナーがあって、そのテーマについての背景や今まさに中高で起こっていることはどのようなものなのか、なぜそういったことが起こるのかという分析がなされている部分があって、興味深い。「いじめ」のところでは、特に有名な「いじめの四層構造」の話が出ているが、「傍観者」を悪者にするな、という主張が納得だった。「いじめを見ていて注意できなければ、加害者と同じだという迫り方をしないということだ。それ自体が、いじめを見て心を痛めている生徒を『傍観者』という枠にはめ込み、追い詰めていくことになる」(p.60)という視点が新鮮だった。ではどうすればよいか。「苦しんでいる人を裏でいいから、メールでの言葉かけなどで一人でないことを示してくれることで、いじめに同調せず精神的に支えてくれればよいとする」(同)、つまり「いじめを受けている生徒に、周りにわからない形でいいから、声をかけたり、支えたりする生徒を一人でも二人でもいいからクラス内につくるという具体的実践」(同)が大切だという部分は、勉強になった。 あまり類書はない中で、私立学校の教員はもちろん、教員を目指す人にも参考になる本だと思う。(16/04/29)
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