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宴-en- ヤングキングC
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宴-en- ヤングキングC

佐野タカシ(著者)

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宴-en- ヤングキングC

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 少年画報社
発売年月日 2016/04/11
JAN 9784785957452

宴-en-

¥330

商品レビュー

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2016/04/26

妖艶な風情がやるせなさと切なさを湛えるシリーズ第3弾

これまで『縄 -JOH-』『縛 -baku-』と続いたシリーズの第3弾としてタイトルを『宴 -en-』としたのは「淫らな被虐の饗宴」ということだろうか。それとも、そのタイトルが故にカタログから外されてしまいがちな前2作からの教訓なのだろうか。サブタイトルも前2作の「緊縛浪漫傑作選...

これまで『縄 -JOH-』『縛 -baku-』と続いたシリーズの第3弾としてタイトルを『宴 -en-』としたのは「淫らな被虐の饗宴」ということだろうか。それとも、そのタイトルが故にカタログから外されてしまいがちな前2作からの教訓なのだろうか。サブタイトルも前2作の「緊縛浪漫傑作選集」に対して本作が「被虐浪漫傑作選集」と変わっていることから何かしらの差異を探してしまうところである。 確かに本作でヒロインが縛られることはないし、表紙カバーイラストに描かれる喪服姿で責められる場面もないが、それでも本シリーズのファンなら前2作と何ら変わらず作者独特の妖艶耽美な世界が堪能できる作品と言える全6話である。 時に理不尽、時に厚顔無恥な男(主人公)によって辱めを受ける女(ヒロイン)という構図が大半を占めるが、ここには被害妄想が爆発する夫が錯覚と誤解から妻を虐めてしまう様子を描いた同作者の『今宵、妻が。』(ニチブンコミックス)シリーズからの影響も少なからず感じる。同窓会に参加した主人公が、かつて憧れていた当時のクラスメイトに茶化されたことから、その復讐をクラスメイトの娘に向ける第2話(第二夜)や、仕事のトラブルを押しつけられた高慢な女上司に逆襲する第五夜などは、そのテイストこそ大きく異なるものの、アイデアとしては似通ったものを感じるところである。 今回の特色として第五夜から最終夜が続きモノになっていることも挙げておかねばならない。報復を受けた女上司と(第五夜の)主人公の仲がどこまで進展しているのか定かでないが、接待ゴルフから肉弾接待を強要される屈辱から肉欲への渇望が芽生える瞬間では思わず助けを求めてしまうところに女上司の秘めた想いが見て取れないこともない。つまりは魅力的なツンデレとも言えそうである。 他にも病弱の義息が秘めていた義母への想いを歪な形で叶えてやる友人だったり(初夜)、借金のカタに身売りされる妻の悲哀だったり(第三夜)、万引きした女教師を責める書店員(第四夜)といった、様々なシチュエーションで男女の営みが描かれていくが、単に脅されて貫かれる女の被虐だけでなく、男からの責めに乱れ、昂り、屈し、堕ちてしまうオンナのMっ気な業も同時に描かれているのは味わい深いことである。 一夜の切ない交わりにフォーカスした前2作よりも時間経過によって複数の場面が設けられる話が多くなっていることは官能成分の増加と物語の進化として本シリーズに別の彩りが加えられたと解釈したい。

DSK

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