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ちっちゃな科学 好奇心がおおきくなる読書&教育論 中公新書ラクレ551
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2016/04/07 |
JAN | 9784121505514 |
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ちっちゃな科学
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商品レビュー
3.6
14件のお客様レビュー
「自然」を探しに遠くに出かけなくても、目の前の小さな不思議はたくさん存在する。そうした不思議に興味を持って対峙することが大切なんだなぁ。子どもが少しでも興味を持ってなにか尋ねてきたら、面倒くさがらずに一緒に疑問に思ってあげたいなぁ。
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子ども達の目線で考える世界。 人はもともと知的な存在。知識を獲得し理論を形成しようとする。そのエンジンの1つに好奇心。子どもの好奇心を刺激する遊び,絵本,環境とは。 総合的な学習の時間についてのかこ氏の考えが収められている。食を基軸に分化させずに知を総合する方法。 寄り道が大事。...
子ども達の目線で考える世界。 人はもともと知的な存在。知識を獲得し理論を形成しようとする。そのエンジンの1つに好奇心。子どもの好奇心を刺激する遊び,絵本,環境とは。 総合的な学習の時間についてのかこ氏の考えが収められている。食を基軸に分化させずに知を総合する方法。 寄り道が大事。まさにそう思う。無駄のない最短距離の知識構築は応用が利かない知だと思う。遊びをつくることで創造性も高まる。大人の生き方を子どもは見ている。子どもが自分は自分で育てるものだと思えるような大人がいる環境,これが大切だなぁ。
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図書館の新着棚にあって借りてみた。 一部書き下ろしだが、ほとんどは既発表の文章の再構成。 福岡ハカセの本も、かこさとしの本もいくつか読んでいて(あー読んだことあるなあ)という話もあったけど、「読書&教育論」という切り口がおもしろかった。 時間の話と、世界はマップヘイタ...
図書館の新着棚にあって借りてみた。 一部書き下ろしだが、ほとんどは既発表の文章の再構成。 福岡ハカセの本も、かこさとしの本もいくつか読んでいて(あー読んだことあるなあ)という話もあったけど、「読書&教育論」という切り口がおもしろかった。 時間の話と、世界はマップヘイターというところが、とくに。 ▼かこ 時間というのがひとつのエネルギーみたいなものだから、生物がこれからどうなるかということを解明するために、この先の問題は「時間を解明できる能力」を人間が十分にもたないと、思考がそこで止まってしまうのではないかと思っています。 福岡 時間の問題というのは、これまで生物学がきちんと扱えなかった問題です。生物というのは絶え間なく動いていて、同じような繰り返しに見えるかもしれないけれども、実は一回として同じことが起こらず、常に流れているものですよね。それをとらえようとすると、必ず時間を止めて、その断面を見ないと見えないんですよね。そうして私たちは顕微鏡とか分子生物学とかを使って対象を見てきたわけで、いろんなことがわかったつもりになっています。 しかし、そのとき時間は止まっているし、細胞はいわば「死んでいる」状態です。そこで記述された因果関係はそのまま生物を説くものではなくて、微分的な一断面にすぎないのです。本当は絶え間なく流れているものを、流れているままに記述する方法はなかなかありません。それがどこへいくのか見極める方法もなかなかない。 いまかこさんがおっしゃったことは、今後の生物学に課せられた大きな問題提起なんですよ。(pp.62-63) 6章 マップラバーの読書とマップヘイターの読書 (扉) 福岡ハカセによれば、世の中には、2種類の人間がいます。 地図を作るように世界を認識していく「マップラバー」。 地図などなくても世界のことは知り得ると考える「マップヘイター」。 目的地にたどり着くために、必ず地図を広げる人はマップラバー。 一方のマップヘイターは、知らない土地に立ったとしても日ざしから方位を認識したりして、周囲との関係性をもとに自分の進むべき方向を判断できる人です。 その傾向は、本の好みにも表れるそうです。 (p.160) ▼世界はマップヘイター 生命とは何か。生物学者として私はそれを考えてきました。ある生命の全体を見ると、いかにも設計的にできているように見えます。しかし、細胞のひとつひとつに着眼してみると、細胞は体の全体像なんてまったく知りません。地図を持ち、自分は体のこの辺にいる、と役割を自覚している細胞などないのです。細胞は、前後左右上下の様子だけを知りながら、それでいて全体のひとつとしてそこにいる。たとえるなら、ジグソーパズルのピースのようなものです。ひとつひとつのピースは全体のことなど気にしません。単純に、隣り合わせになっているピースとの相互作用だけが成り立てば、全体が成り立ちます。 細胞ひとつひとつは、究極のマップヘイターです。全体を気にしないマップヘイターとして細胞は行動しながら、全体としてはうまく調和がとれる。なるほど、生命とはこのようにできているのか、と気づいた私は、生物学者であるかたわら「動的平衡」をキーワードに本を書くようになりました。 私は、人生の大半をマップラバーとして過ごし、昆虫を追いかけ、地図を愛し、小説を読み、遺伝子を調べてきました。そしてその挙げ句に、世界はマップヘイターとしてあるのだということにようやく気がついた、というわけなのです。マップラバーは、ちょうど昆虫図鑑のように、世界をグリッドの上に並べて整理し、把握しようとします。しかしこの方法はずいぶん恣意的ですし、人工的です。世界をどこまで細かく切り取って分類しても、全体を知ることはできません。本当の世界は絶えず揺れ動き、一瞬たりとも同じ姿でいることはないからです。ですから、人間の手で作った地図では、ありのままの世界を表現することはできないのです。(pp.172-173) そして福岡ハカセは、マップヘイターになって、読む本の好みも変わってきたという。 たとえば、須賀敦子の『地図のない道』(新潮文庫)をあげる。 ▼このように私はマップヘイターのようになりたいと思っていますが、確認しておかなければならないのは人間の世界認識の仕方の基本はマップラバーだということです。そうでなければ学ぶことができないし、知識も統合できません。(p.174) (2016/7/16了)
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