東大教師が新入生にすすめる本 2009-2015

東京大学出版会『UP』編集部(編者)

• 販売会社／発売会社: 東京大学出版会
• 発売年月日: 2016/03/26
• JAN: 9784130033336

商品レビュー

2025/03/28

こういう本を読むと、次から次へとポチポチと読みたい本リストに追加していく事になるので、私にとっては禁断の書である。本書が面白いのは教授陣が、自分たちの専門分野における推薦図書や自らの著書を紹介するというテーマと、教養や娯楽として楽しめるような普遍的な著書を紹介するというテーマの二つに分けてオススメしてくれる点だ。

新入生向けを的確に選んでいる人もいるし、少し背伸びさせるというか、だいぶ背伸びしているというか、読み手の私の背丈の問題かも知れないが、難解な本を平気の平左で薦める輩もいる。というか、人に本を薦める時、自らの知性やセンスを問われる事を意識して、自然体で面白い本を言えないという事はよくある事だと思う。格好つけなくても、敢えて"外し”にいってみたり。ダラダラとレビューを書くようなブクログ仕立てなら良いが、ベスト3とかは、他者を意識したオススメになりがちなので、本音と異なる事もあるのかなと。オススメなので、他者を意識するのは当然なのだが、他者による自己評価を意識したオススメという意味だ。

しかし、こういう素直な人たちもいる。

ー　正直に白状すると、学部生のとき私は『資本論』を読み通せませんでした。先にこの本を読んでしまいました。これも難解を以て鳴る本で、否定形を多用した「定義」をもとに、複数の論理を綯（な）いあわせた独特の文体で綴られています。その意味で、教科書というよりは、「これはどういう意味？」と読み手が自問自答する問題集です。「わかった」というのは「わからない」という経験があってはじめていえること、一読すればすぐ「わかる」のは、潜在的には「知っている」ことを再確認しているだけです。わかりやすいものばかり読んでいると過食の恐れがあるので、多少噛みごたえのあるものをすすめます。

ー　『神学大全』には、我々の心に訴えかけてくる魅力的な言葉がたくさん詰まっている。通読が困難だからといって、このような魅力的な書物に触れる機会を多くの人が持たずにいるのは実に惜しいことだ。実益とは直接に結びつかない古典のテクストを、たとえ一部であっても地道に解読していく喜びを、若いときからぜひ味わってほしい。

この考え方そのものが読書に向き合う姿勢として、為になるなと思った。

2024/02/25

　違う分野から、それぞれの先生方がおすすめ本を紹介してくださっています。読みたい本を見つけるだけでなく、興味深い分野を新たに見つけられる1冊です。

2016/10/10

東大の教授・准教授等の新入生が薦める本。

各分野の専門家が薦める・・・というと
マニアックでわかりにくいかな？と思ったけれど、
初学者でも理解できそうな本だったり、
まったく異なる分野（小説）の本だったり･･･。
（全てタイトルと書評だけですが
　そんな気にさせてもらえる内容でした。）

全ての本を読むのは当然難しいですが
この中から興味のある本を選んで
ゆっくり読んで見ようと思います。

どんな本を読もうかなと迷っている人にぜひオススメの一冊でした。