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天山の巫女ソニン(5) 大地の翼 講談社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2016/03/01 |
JAN | 9784062933445 |
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天山の巫女ソニン(5)
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商品レビュー
4.4
13件のお客様レビュー
完結。面白かった。 ファンタジーのはずだが、かなり現実的な社会問題の描写が多い。なにより、不思議な巫女の力を持つ主人公が、その力を失いながら、人として成長していく展開が斬新。 この作者の他の作品も読んでみたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
まず、夢見の力というのが限定的な力なのがちょうどいいものでした。未来を見通すのではなく、夢で魂を飛ばしてある場所のことを視る。ただそれだけなのです。でも、それはどういう状態だったのか、何がおこっていたのか、場所はどこなのか。というのを知識でもって判断し伝えるということを巫女は行っているというとこです。 超越した力ではありますが、己の知識がなければただ無意味な力であり、賢くあるための教育と欲を抑えるためのルールが課されているがよかった。 そして、その夢見そのものができないことでただ人に戻るのですが、ソニンは賢かった。そして欲がないソニンがだんだんと人の世の嫉妬や羨望、悪い心を知りつつも、周りの人に恵まれてまっすぐ成長していくのがさっぱりとしてよかったです。 わかりやすく対照的なキャラとしてその知識を濫用したり、ふてくされる人がいたのがそれを顕著に感じるエピソードとしてありました。 はてしない物語と比べてしまって申し訳ないんだけれど、主人公が子供ゆえの傲慢さ愚かさや英雄になったが故の無敵感を得てそれから壁があって、その凝り固まった厚顔無恥な性格が清廉(といわずとも常識的)になっていくという物語が苦手です。大体が読んでて腹立たしく、もっと周りの意見を聞けよと思うので。その点、ソニンでは王子がその役割でしたが、主人公は欲がない子で"くもりなきまなこ"を持ちうる聡い子だったので、好ましい!と思う所以だったかと思います。
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第一巻「黄金の燕」から第五巻まで読了。 児童文学ですが、とても面白く示唆に富んだ内容だと思います。 落ちこぼれ巫女ソニンの天山からの下山から15歳までの成長物語ですが、三つの国の駆け引きや戦争、為政者の姿勢、人々の動向など様々な問題が巫女として修業したことで得てしまったソニンのち...
第一巻「黄金の燕」から第五巻まで読了。 児童文学ですが、とても面白く示唆に富んだ内容だと思います。 落ちこぼれ巫女ソニンの天山からの下山から15歳までの成長物語ですが、三つの国の駆け引きや戦争、為政者の姿勢、人々の動向など様々な問題が巫女として修業したことで得てしまったソニンのちょっとずれた視点をとおして語られます。 人にない能力があったはずの少女が普通の人として生きなおす過程は、むつかしいはずですが、とても明るく、素直です。その理由や葛藤の少なさも、ある意味この物語のポイントであり面白さだと感じました。 また、それぞれの国の設定や距離感、人物像、産物や人々の習慣なども児童文学として考え抜かれているように思います。 もちろん大人の読み物として考えると甘さや粗さはありますし、物足りなさも感じられます。けれどそんなことは些細なこと。人と政治の関係をこれほど児童文学で考えさせる作品は少ないのではと感じますす。「七割」の法則に甘んじるのか、自分の考えで動く三割の道を行くのか、人としての生き方を問うラストまで一気に読みました。文章もわかりやすく読みやすく、図書館の子供の本棚、侮れませんよね。初版の挿絵や装丁も素敵です。ぜひ全巻を最後まで読まれることをお勧めいたします。
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