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羆 新潮文庫
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吉村昭(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 1985/07/25
JAN 9784101117195

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商品レビュー

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10件のお客様レビュー

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2022/01/28

動物をタイトルにした5話ではあるけど、これでもかと人間を描ききった心理小説だった。 それぞれの理由で生き物たちに取り憑かれた男たちの話。どれも共通して閉鎖的な田舎町が舞台で、鬱屈したやるせなさと物悲しさが漂い、つい登場人物に感情移入しながら読み進めた。良くも悪くも親から受け継いだ...

動物をタイトルにした5話ではあるけど、これでもかと人間を描ききった心理小説だった。 それぞれの理由で生き物たちに取り憑かれた男たちの話。どれも共通して閉鎖的な田舎町が舞台で、鬱屈したやるせなさと物悲しさが漂い、つい登場人物に感情移入しながら読み進めた。良くも悪くも親から受け継いだものが共通してるのも印象的。 どこか報われない、世間から少し外れた場所で生活する人間たちが、あらゆる動物を道具や自分の代替として生きがいにしていく。 3篇めの「軍鶏」がまさにそんな感じ。足の悪い自分の代わりに鶏たちを荒々しく闘わせることで日頃閉じ込められたストレスを爆発させている。闘うことしか知らない軍鶏に憧憬を抱く主人公が無垢というか愚かというか。生き物を育てるということは愛情も間違いなくあるんだけど、結局は自己満足の部分が大きくて、自分の喜びの為の道具にしか過ぎないのかなと虚しくなる。 5話すべて暗くてキツイ終わり方だけど不思議と後味の悪さはなくて、彼らの今後に思いを馳せてしまった。

Posted by ブクログ

2021/10/07

10/1 読了.動物への異常な執着を見せる主人公ばかりが登場する短編集.動物の命の異様な軽さ、粗末に命を扱う人間の醜さが絡み合って独特の雰囲気が全編に漂っていてなかなかのインパクトだった.

Posted by ブクログ

2021/03/16

動物小説集と銘打ってはいるが、これは人間の物語。執念、悲哀、偏愛、劣等感、孤独...。5編全て暗いが結びがそれぞれ秀逸。「蘭鋳」「軍鶏」「鳩」が好み。生き物を育てるのって大変だ。

Posted by ブクログ

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