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日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか 文春新書1060
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2016/01/20 |
JAN | 9784166610600 |
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日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか
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日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか
日露戦争開戦前から樺太(サハリン)北部オハ周辺では、石油の存在が早くから知られていた。探鉱を手がけたロシア人たちの採掘は、一年の大半を氷の海と濃霧に閉ざされる寒冷で過酷な自然条件のため作業は困難を極めた。後に始まる日本による探鉱には、海軍が参加する。当時欧米列強海軍では、艦隊の燃...
日露戦争開戦前から樺太(サハリン)北部オハ周辺では、石油の存在が早くから知られていた。探鉱を手がけたロシア人たちの採掘は、一年の大半を氷の海と濃霧に閉ざされる寒冷で過酷な自然条件のため作業は困難を極めた。後に始まる日本による探鉱には、海軍が参加する。当時欧米列強海軍では、艦隊の燃料が石炭から石油に転換され始めており、日本海軍も積極的にその石油資源確保に動いた実例であった。しかし、残念ながら日本国としての動きではなかったことが日本の針路に多大な影響を与え続ける。現代に至るまで日本人の手で掘り出した最初の海外原油は、中東のカフジ原油と信じられているが実際は、樺太のオハ原油だった。樺太油田開発の権益を確保したい日本は、交渉相手のソ連側から世界で一番の「赤嫌い」が国家承認をしてまで石油利権の契約をしたいのは「人血と等しき石油を得んとするため」であればどんな条件でも応諾すると足元を見られている。満洲での探鉱には、故安倍元首相の祖父岸信介元首相が当時の満洲国の官僚のひとりとして名前が登場する。日露戦争後満洲に勢力を伸ばしていく日本の植民地政策の先兵となった満鉄(南満洲鉄道株式会社)や陸軍により試掘が各地で実施されたが、当時満洲では大規模な石炭の生産が開始されていたこともあり、石炭の液化による人造石油への道も探る状況であった。しかし、この分野でも成功できない。石油については、油田の掘削資材や技術の精度、資金や人材にも事欠く状況で世界水準に達していない中で実施され、大深度での掘削は、ほぼ実施されていなかった。日本は、中長期的な開発政策や技術導入や人材育成方針も持たずときを過ごした。後年大油田が発見された地域の真上で「軍事機密」という伝家の宝刀を持ち出し、油田探鉱の情報漏洩を恐れ外国人技術者の参画を忌避していた。油田探鉱に必要な海外からの先端技術導入の道を自ら閉ざしていた。さらに石油精製能力の低さについても言及されている。結局は、総合的な技術力、工業力、資源の乏しさによる。この閉塞状況を日本は、軍事行動による「南進」によって太平洋戦争に突入し、豊かな油田地帯を持つオランダ領インド(蘭印)の確保に走る。独自の力で油田を開発するという意識の欠如の結果は、みじめな敗戦となる。本書により樺太での困難な油田開発や戦前の日本の石油輸入の状況についての興味を高めることになりました。また、ロシアによるウクライナ侵攻に反対する諸国の経済制裁へのロシアの報復措置により注目された樺太でロシアなどと進めていた合弁事業サハリン石油・天然ガス開発プロジェクトの行方にもつながる内容。
小林裕人
【技術とは,ハードだけで成り立つものではない。何のための技術かというソフト面を追求することも重要なのだ】(文中より引用) 戦前の日本のエネルギー政策、特に石油との関係に光を当てながら、意思決定や思考法にまつわる様々な問題点を指摘した作品。著者は、三井物産で一貫してエネルギー関連...
【技術とは,ハードだけで成り立つものではない。何のための技術かというソフト面を追求することも重要なのだ】(文中より引用) 戦前の日本のエネルギー政策、特に石油との関係に光を当てながら、意思決定や思考法にまつわる様々な問題点を指摘した作品。著者は、三井物産で一貫してエネルギー関連業務に携わった岩瀬昇。 石油というフィルターを通して見た『失敗の本質』といった趣きの一冊。嘘が数字を作り願望が現実に優先する様子などからは、過去の出来事だからと済ませてはいけない教訓が満載かと。 少し硬い文章ですが☆5つ
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数字は嘘をつかないが、嘘は数字を作ると言う言葉がでてきたが、嘘で積み上げられた石油の産出量や需要量でWWIIの開戦が決定された。事業計画でも根拠ないが、事業規模ありきで数値目標を積むこともあるとは思うが、責任をもって遂行できる数値目標を立てるべきだと思った。
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