ドローンランド

トム・ヒレンブラント(著者), 赤坂桃子(訳者)

• 販売会社／発売会社: 河出書房新社
• 発売年月日: 2016/01/01
• JAN: 9784309206950

商品レビュー

2023/02/03

ナノサイズのドローンから宅配便用ドローンまで、生活のあるゆるところにドローンが進出している未来社会。ドローンに搭載されたセンサーによって、人々の行動は完全監視の下に置かれ、およそプライバシーというものは存在しない、そんな世界で発生した、とあるVIPの殺人事件。ユーロポールによる捜査にも、もちろんドローンが活躍し、すぐに結着を迎えたと思われたのだが...。
近未来警察SFという感じですかね。「攻殻機動隊」など好きな方にはバッチリ刺さるのではないかと。ただ個人的に、犯罪がデジタルデータに記録されることにフォーカスしたSFは、ほとんど、このデータの改竄とか消去が争点になるような気がして、この小説もまたその類。そういう意味では、このジャンル、まだまだ過渡期なのかな、とも感じました。
著者はもともとジャーナリストだったらしく、その語り口はシャープでキレがあります。文章の強度も高めでクール。
その一方で、剣と魔法のRPG大好き！と公言しているらしく、若干オタッキーなのかも？例えば、本作品にも一応ロマンス要素はありますが、それがどうもおっさんの妄想のように都合よく展開したりします。まぁ、それも含めて楽しい小説でした。

2022/10/02

ミステリ。SF。
近未来の監視社会を描いたディストピアSFと、殺人事件をハードボイルド風に描いたミステリの詰め合わせ。
大雑把に、科学技術が進歩したら、科学技術を巡る争いが生まれ、科学技術を利用した犯罪も起き、犯罪の解決にも科学技術が利用される。未来はそんな世界になっていくのか？
スピード感があって読みやすいエンタメ作品。
本当に近未来には実現しそうなくらいリアルな世界観で、アイディア的には目新しさはなく、人間ドラマも薄め。
ビジュアル的には派手なシーンが多く、映像化に向いた作品に思う。

2022/01/24

タイトルからドローンを使った研究や評論かと思っていたら推理小説であった。ドローンがところどころ使われていたり、特殊なものが利用されているが要は殺人事件についての推理小説である。