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植手通有集(2) 徳富蘇峰論
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | あっぷる出版社 |
発売年月日 | 2015/06/01 |
JAN | 9784871773317 |
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植手通有集(2)
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著者が編集を担当した、筑摩書房「明治文学全集」の一冊である『徳富蘇峰集』の解説文を書きあらためた内容で、蘇峰の主な著作の内容の紹介がなされています。 著者は、蘇峰の文章が「きわめて冗漫である」と評し、福沢諭吉と比較して「福沢が読者を知的に説得しようとするのにたいして、蘇峰は読者...
著者が編集を担当した、筑摩書房「明治文学全集」の一冊である『徳富蘇峰集』の解説文を書きあらためた内容で、蘇峰の主な著作の内容の紹介がなされています。 著者は、蘇峰の文章が「きわめて冗漫である」と評し、福沢諭吉と比較して「福沢が読者を知的に説得しようとするのにたいして、蘇峰は読者の感情に訴え読者を自己の思う方向に動かそうという、両者の著作態度の違い」を指摘しています。また、蘇峰の議論のスタイルについても、善玉と悪玉を対置するという単純な構図が示されるばかりで、同時代の陸羯南とくらべても、現実の状況を動かしていくためにはどのような方途がありうるのかといった視点からの考察が蘇峰には欠けていることを批判しています。 蘇峰の議論のスタイルは、おそらく著者が批判しているとおりなのだと思われますが、具体的な現実のなかで展開されていった蘇峰の意見のあいまいなことや、分析の不十分なことが問題とされるにとどまっており、蘇峰の提唱する「平民主義」の考えかたの中心的な問題点があまり鮮明に見えてこないように感じてしまいました。もっとも、本書は蘇峰の著作をまとめたシリーズの解説文であったために、このような書きかたになっているのでしょうか。あるいは、現在の近代国民国家論の枠組みのもとで蘇峰のナショナリズムを批判することはあまりにも安易であり、むしろ状況のなかの蘇峰の発言の詳細を見ていくことが重要だという著者の判断があったのかもしれません。
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