千の顔をもつ英雄 新訳版(上) ハヤカワ文庫NF

ジョーゼフ・キャンベル(著者), 倉田真木(訳者), 斎藤静代(訳者), 関根光宏(訳者)

• 販売会社／発売会社: 早川書房
• 発売年月日: 2015/12/01
• JAN: 9784150504526

商品レビュー

2024/11/12

メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1856302660707856798?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw

2024/09/22

【注】上下巻を通しての書評です。
世界の神話・民話を分析し、物語の基本構造、いわゆる「英雄の物語（ヒーローズ・ジャーニー）」を提示したことで名高い本書。
キリスト教圏だけではなく、仏教圏の逸話も多数紹介されており、興味深く読めるのだが、私にとってはちょっと長かった。
堅い言葉で表現すれば「比較神話論」なのだから、気軽に読んで、冒頭に記した以上のことを知ろうというのはムシが良すぎたようだ。

2024/09/20

神話学の古典だが、
「世界各地で同じパターンの神話が別々に発展してきた」という主題は、直前に読んだヴィーコと極めて類似する。

ジョーゼフ・キャンベルがヴィーコを意識したかはわからないが、
神話の世界から人間が共通して持っているものを解き明かしたい、という願いは、いつの時代も普遍なのだろう。

「異性から生まれるか、それとも同性から生まれるかが、男女の決定的な差である」
というのは、戦後日本の思想家吉本隆明の『共同幻想論』からの学びだったが、ここでも母親から引き離され父親を乗り越える、というパターンが出てくる。
男女平等が当然の時代の自分にとっては、神話を学ばなければ、男女に差があることは死ぬまでわからなかったと思う。