WHAT IS SAPEUR？

NHK「地球イチバン」制作版(著者), 影嶋裕一(著者)

• 販売会社／発売会社: 祥伝社
• 発売年月日: 2015/12/01
• JAN: 9784396615475

商品レビュー

2025/07/09

2014年12月、まったくの偶然で、この番組を見ることができた私は幸運だったと思う。

アフリカ、コンゴ、バラック小屋に土埃。
その背景とあまりに違う、カラフルでダンディなスーツを着こなした、強烈な伊達者の男たち。
初見ではクラクラしたが、番組のなかで、服を着ることで平和と協調を高らかに宣言し、自尊心を高めていくスターのような彼らの在り方に大きな肯定感を見た。

この番組は非常に反響があったらしく、約10年後には追加分のドキュメンタリーも放映されていた。
（2014年当時、うちに遊びに来た友人（着物作家）にも見せることができて良かったと思う。彼女はその後どんどんビッグになりました）

この本は、その取材にあたったディレクターの手記、というか、そのままあの番組の根幹である。
今回たまたま図書館で手にして読み、あのときの驚きを思い出した。

服をきること、めかすこと、それがときに大きな意味を持ち、人や国を動かす力にもなる。
よりよいものを、平和を、自分と周りの人への敬意を。

これまでの社会では、水面下にあった、幼稚で差別的な悪意が、今やだんだん目に見えるようになってきた今の日本で（あんなの右傾化ですらない、幼稚化だよ）、こんなに社会を憂える、そして非暴力で高らかに主張できる大人たちはほとんどいないように思う。

そのことが十年前との違いとして感じられて、とてもショックな選挙前（今）です…。

あと、今までずっと区別がつかなかった、2つのコンゴについて。
↓の知見を得たのでメモ_φ(･_･
①コンゴ共和国（今回の取材先。もとはフランス領。首都ブラザビルはファッションの都）
②コンゴ民主共和国（その隣の国。旧国名、ザイール。もとはベルギー領。首都キンシャサは音楽の都）
③2つの国の首都は、川を挟んで隣り合っている。その距離はなんと4、5キロしかなくて、モーターボートで5分ほどだと言う。まじか、大津と京都どころじゃない…。

2025/05/04

アフリカの舗装されていない道？広場で高級なスーツやカラフルな装いをしている男たちのドキュメンタリーをTVで見て借りた本。
エレガントに振る舞うことで喧嘩や争いがなくなるから平和に繋がるとか、貧しい国でおしゃれするのは清潔にしていることがまず必要で清潔は健康に繋がるとか、ファッションがwell-beingに繋がっているのが興味深かった。サプールな男たちもそれを応援する妻や家族も素敵です。

2024/02/09

貧しいけど、ビシッと全身をおしゃれに決めた非暴力の紳士たち。 -流行を追いかけるのは金持ちのすることだよ(p.25) -サプールたる者、みんなを驚かせる「オンリーワン」でなければならない。(p.25) -豊かさとは、物質的な豊かさではなく、己の生き方を信じて貫いた先に見えてくる「希望」なのかもしれない。(p.31)