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調律師 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2015/12/01 |
JAN | 9784167905064 |
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調律師
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調律師
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商品レビュー
3.5
25件のお客様レビュー
音に匂いを感じる調律師の話が東日本大震災と絡めて展開していく。熊谷達也らしい緻密な下調べが効果をあげている。
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本書を読みながら、宮下奈都さんの『羊と鋼の森』(ピアノ調律師の青年の成長物語 2016年本屋大賞受賞作)を思い出していました。 本書の単行本は2013年刊なので、『羊と鋼の森』より少し前ということになりますね。 7話からなる連作短編集で、ピアノ調律師・鳴瀬の再生の物語です...
本書を読みながら、宮下奈都さんの『羊と鋼の森』(ピアノ調律師の青年の成長物語 2016年本屋大賞受賞作)を思い出していました。 本書の単行本は2013年刊なので、『羊と鋼の森』より少し前ということになりますね。 7話からなる連作短編集で、ピアノ調律師・鳴瀬の再生の物語です。 元ピアニストの鳴瀬は、10年前、事故により妻とピアニストとしての将来を失い、以来、音から匂いを感じ取る「嗅聴」という共感覚を得ています。 連続する作中、異なる状況下での微妙な音や匂いの繊細さが上手く表現されています。 鳴瀬は、亡き妻がもっていた「嗅聴」と調律の仕事を辿ることになります。様々なピアノ・依頼主と出会いながら自分と向き合い、少しずつ〝妻の幻影からの解放〟に向かうはずでしたが‥。 執筆(連載)中に東日本大震災が発生し、仙台在住の著者は、途中中断しながらも、第6話から物語を転調することにしたようです。個人的には、震災を物語に取り込むことが、「唐突」ではなく「必然」だったのだろうと思います。 余韻の残る、不思議ととても清々しい読後感でした。暗い印象になりがちな物語に、義理妹の存在が健気で可愛らしく、救われる思いがしました。不謹慎かもですが、ある意味〝胸キュン〟の側面もあり、震災云々を抜きにしても良質の物語だとおすすめできます。
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この小説は2010年から2012年に書かれたとのこと、その間に東日本大震災が起こった。共感覚という音を嗅覚でも感じることができる調律師の小説は震災時の場面から大きく転換した。いくつかある調律師を主人公とした小説の中でもその事件によって別の意味での臨場感がでることになり、まさに時代...
この小説は2010年から2012年に書かれたとのこと、その間に東日本大震災が起こった。共感覚という音を嗅覚でも感じることができる調律師の小説は震災時の場面から大きく転換した。いくつかある調律師を主人公とした小説の中でもその事件によって別の意味での臨場感がでることになり、まさに時代を現したものとなっている。
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