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失われた時を求めて(9) ソドムとゴモラ Ⅱ 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2015/11/19 |
JAN | 9784003751183 |
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失われた時を求めて(9)
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商品レビュー
3.7
4件のお客様レビュー
メディアとしての自動車体験の描写、考察が今も色褪せない。 この巻の登場人物のこじらせ具合も半端ない。 生きること、とくに愛することはこじらせることに他ならない。 最後のアルベルチーヌの同性愛を確信してしまうくだりは、性的指向のセンセーショナリズムの強調にあるのではなく、倒錯を...
メディアとしての自動車体験の描写、考察が今も色褪せない。 この巻の登場人物のこじらせ具合も半端ない。 生きること、とくに愛することはこじらせることに他ならない。 最後のアルベルチーヌの同性愛を確信してしまうくだりは、性的指向のセンセーショナリズムの強調にあるのではなく、倒錯を感じる常識への一種の揺さぶりにあるのではないか。同性愛者だったプルーストだったから、時代を待つことなく、書き上げられたのではないか。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ソドムにもゴモラにも興味が沸かなかった。 「私」がご執心のアルベルチーヌについても同じだ。 そもそも、人が最も女を欲するのは、それが決定的に失われようとするときなのではないか? そのことを証するかのように、「私」は、彼女がゴモラの女だと知って初めて、彼女を繋ぎとめようと必死になる。 『われわれがいかにあれこれ考えをめぐらしても、真実はけっしてそのなかに含まれない。真実は、つねに外部から、まったく想いがけぬときにやって来て、われわれに恐ろしい針を刺し、永久に癒えない傷を与えるのだ。 ―中略― 「…ほら、憶えてるかしら、あたしよりも年上の女友だちのこと、あなたに話したことがあるでしょ。あたしの母親がわり、姉がわりになってくれた人で、その人といしょにトリエステですごした何年かはこれまでで最高の経験だったし、何週間かしたらそのお友だちとシェルブールで落ちあって、そこからいっしょに旅行する予定なのよ ―中略― で!そのお友だちだけど、(あら!あなたが思うような種類の人じゃ全然ないわよ!)、これが、なんと不思議なことに、どんぴしゃり、そのヴァントゥイユって人のお嬢さんの親友なのよ、 ―以下略―』(第4篇ソドムとゴモラⅡ(2-4)) 『と母は言うと、 ―中略― 私に窓を指し示した。しかしお母さんが示してくれたバルベックの浜辺や海や日の出の背後に、私が母の目にもそれとわかるほど絶望をあらわにして見ていたのは、モンジュヴァンの部屋だった。そこでは、バラ色に上気したアルベルチーヌが、大きな雌猫のように身体を丸め、鼻を強情そうにそり返らせ、ヴァントゥイユ嬢の女友だちになりかわり、同じ官能的な笑い声をあげて、こう言っている、「それがどうしたの!見られたら、かえって好都合じゃないの。―以下略―」』(同上)
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「こちらとしては自由を確保して、その気がなければアンドレとも結婚せず……とはいえその時点まではずっとアンドレを自分のものにしておきたい。……「ぼくはべつの人への恋心のせいで悲しんでいるので、そんなぼくを慰めてほしいんだ。」……私は内心ほくそ笑んでいた。これで……アンドレの愛情を楽...
「こちらとしては自由を確保して、その気がなければアンドレとも結婚せず……とはいえその時点まではずっとアンドレを自分のものにしておきたい。……「ぼくはべつの人への恋心のせいで悲しんでいるので、そんなぼくを慰めてほしいんだ。」……私は内心ほくそ笑んでいた。これで……アンドレの愛情を楽しく心おきなく享受できるだろう。」 あいかわらず主人公がクズ。なんだこのアンドレに対するアレな態度は。くわえて、9巻はほかの登場人物のクズ度も高いので、全般的にクズな人々がクズな言動をしてるのを延々と読み続けるという展開。 それでいて景色の描写とか記憶をめぐる考察とかはやたらと高尚で、どうにもアンバランスな。 しかし、ここまで読んで未だになんの話なのかわからんてのも不思議。
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