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となりの野生動物
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | ベレ出版 |
発売年月日 | 2015/11/01 |
JAN | 9784860644536 |
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商品レビュー
3.5
3件のお客様レビュー
動物生態学、保全生態学の先生が書いた本。主に興味あるシカの部分を読んだが、草食動物である事、敵から身を守るための体か崖を走るのに適しているなど、鹿さんの事かよくわる。
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身近に存在する日本の野生動物の事をどれだけ知っているだろうか。タヌキ、イノシシ、クマ、ネズミ、ウサギなどなど。里山と環境保全、外来種問題を絡めながら野生動物の生態や状況を知ることができる。巻末に「動物たちの言い分」があるのも面白い。あらゆる年代向けとも言えるので、身近な野生動物に...
身近に存在する日本の野生動物の事をどれだけ知っているだろうか。タヌキ、イノシシ、クマ、ネズミ、ウサギなどなど。里山と環境保全、外来種問題を絡めながら野生動物の生態や状況を知ることができる。巻末に「動物たちの言い分」があるのも面白い。あらゆる年代向けとも言えるので、身近な野生動物に興味がある人たちに広く読んでほしい。また、レクレーション目的として動物園に足を運ぶ人も。見方が少し変わって来ると思う。
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暮らし・環境・人との関わり、というタイトルから、人為も含めた生き物の生態、の話だと思っていたら、冒頭のタヌキがいきなりカチカチ山とかタヌキおやじとか、そういうイメージの話からでびっくりする。どうもタヌキは間抜けというイメージが付いている。 この導入部は、ムズカシクないよ、という...
暮らし・環境・人との関わり、というタイトルから、人為も含めた生き物の生態、の話だと思っていたら、冒頭のタヌキがいきなりカチカチ山とかタヌキおやじとか、そういうイメージの話からでびっくりする。どうもタヌキは間抜けというイメージが付いている。 この導入部は、ムズカシクないよ、というアピールだろうか。タヌキは狸と書くように里の生き物で、今も東京23区すべてにすんでいるという。高速道路での死亡動物も一番はタヌキだ。 著者は、自動車は公共の整備による道路で発展してきたのに自動車会社はロードキルを減らすためにその利潤を還元したりしない、と責める。 それでもなおタヌキは人里ちかくに暮らしている。タヌキなんていなくても困らない、という人が多いだろうけど、みんなだいすき「環境」問題は、そういうのも含まれるんじゃないだろうか。 続いてウサギ。これもイメージから。学校でウサギを飼うのは情操教育の一環、のようだけど、もともとは日清・日露戦争での兵員の防寒のため、ノウサギが穫られて激減したので、軍部が学校でウサギを飼え、と文部省を動かしたのだそうだ。 イノシシ。シシとは肉をさし、イノシシとは本来「猪の肉」らしい。十二支では亥(い)、の一文字だが、やはり獣としては「イ」だけでよいようだ。見た目やイメージとは違い、人里に斥候を送ったり、1メートルの障害物も飛び越え、60kgの重いものも持ち上げるというスーパーな動物。 アライグマ。外来種だが野生化している。アライグマはタヌキ以上に環境適応力がありそうだ。著者はここでもペットの放逐と、そしてその後に起こる生態系の混乱への無理解に怒る。 こういう感じで9種の動物が紹介される。それぞれイメージからはいる導入部は、社会が動物にイメージを持つ、ということ自体がおもしろそうだと思ったからだ、というおよそ自然科学者らしくはない理由からだった。 最後に、逆に動物からみた人間のイメージが語られている。 「人口が3倍にもなって、世界中から食べ物を買って、エネルギーを輸入して、都市に集中し、地方で人口が減って、僕たちが増えたらけしからんという。わからないことだらけだ。」これはシカの言い分の抜粋。ベタだがそのとおりだ。けれど、この問題も林業家にとっては大きい問題でも、都市生活者にとってはあまり関心が持てない。 無関心はすなわち無知であり、無知は誤解を生んで決断を誤る。シカ以外の里山動物もみな田畑を荒らしたりするから生産者は困る。だが都市生活者は生産そのものに対しても無関心から決断を誤るループにあるかもしれない。 この動物はこう思われているけど、本当はこうなんです、なんていうだけの話ではない。やっぱり「暮らし・環境・人との関わり」だった。
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