函と館 坂の街で 見る 食べる 歩く 100

細萱久美(著者), 野川かさね

• 販売会社／発売会社: 平凡社
• 発売年月日: 2015/11/01
• JAN: 9784582630602

商品レビュー

2020/05/28

函と館　と函館を分解している。
函館に行ったのは、もう１０年も前だ。
羽田から函館空港に入った。
函館空港は、あのベレンコ中尉が飛来したことで著名な空港だ。
あの事がきっかけで、航空自衛隊に早期警戒機が配備されるようになった。

本書を手にするきっかけは、写真＝野川かさね　と記載されていたことによる。
野川かさねは、NHKの山岳番組に山岳カメラマンとして登場することもある
著名カメラマンの一人である。
もともとは、小林百合子と共著を出していることでインプットされた。

その野川かさねが、山以外の写真をどのように料理しているのかに興味があった。

肝心の著者は、後回しであった。しかし著者の経歴も興味深かった。
中川政七商店の社員なのだそうだ。
中川政七商店の名前は、花ふきんで認識した。エム田氏令室から教えてもらった。
センスのいい雑貨を提供するところと解釈している。
著者は、ここで企画などをしているという。

仕事とは別に、本書を執筆したのかと思ったがそうでもなく、函館空港からのオファーだという。

中々丁寧なつくりがされており、旅行のガイドブックなどより、もっと函館に親しめる本だと言える。

この手の本で使われている用紙からすると、写真の発色に苦労したと推察される。
写真家野川かさねの個性は出ているかと言うと、オーソドックスな撮影手法で黒子に徹しているようにも思える。しかし、注意してみていると山小屋の経営者が言っていたように、仕事をしている人の仕事っぷり、特に厨房をうまく引き出す技術が、そこかしこに垣間見ることが出来る。
３４ページのシェフ、５０ページの店主、６４ページの寿司屋の大将、６６，６７ページの塩ラーメンの店の人、６９ページの居酒屋の大将の背中などなど。

でまた函館に行ってみたい気になったが、コロナ禍が収束・終息するまではちょっとお預けだね。