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人妻流ラジオ体操 双葉文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 双葉社 |
発売年月日 | 2015/11/01 |
JAN | 9784575518429 |
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人妻流ラジオ体操
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人妻流ラジオ体操
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男の共感を得てやまない主人公の心の声
本作を目にして第一にイメージされるのはラジオ体操であろう。誰もが少年少女時代の夏休みに朝早くから通ってはハンコを貰ったアレである。しかし、三十路の人妻達が何でまた朝一番から、しかも作中では夏も終わって秋も深まる頃まで薄着のままラジオ体操に勤しむのか?となる。それは次第にじんわり見...
本作を目にして第一にイメージされるのはラジオ体操であろう。誰もが少年少女時代の夏休みに朝早くから通ってはハンコを貰ったアレである。しかし、三十路の人妻達が何でまた朝一番から、しかも作中では夏も終わって秋も深まる頃まで薄着のままラジオ体操に勤しむのか?となる。それは次第にじんわり見えてくる人妻達の思惑によって察せられよう。清楚な風情に隠された人妻達の本性は共通の悩みに端を発しているのである。 それはそれとして、この人妻ラジオ体操サークルにふとしたきっかけで45歳の主人公が参加するハメになる。この面白さが本作の肝となっている。渋々ながら参加したラジオ体操には、それはそれは男ゴコロをくすぐる別の魅力があったのである。 そんな主人公だから、それはもぅ読み手たる自分を含めた男子諸君とはほぼ同類と言うべき素敵な桃色煩悩琴線に触れる感想が脳内で吐露されている。官能的に邪な参加理由、邪な目の配り方、そして奇跡的に生じた邪な瞬間をこっそり堪能する主人公……同志と呼びたくなる共感を覚えてならない。 うんうん。 そうそう。 そうだよね! 分かる、分かる! 思いのほか多く綴られる毎朝のラジオ体操シーンで繰り返される主人公の素晴らしく邪な風景描写は、もしかしたらその時点で人妻達の思うツボだったのかもしれず、その集大成が最後に描かれる。久し振りに呆れ大笑いを随所で発しながら誘惑据え膳満載の快活な作品を読んだ心地である。主人公には共感と同意と同類の賛辞として「アホやで、コイツ(笑)」と申し上げたい。 そうした素敵紳士な主人公が世界の中心にいる作品である。 がっつり恋物語を盛り込むでもなく、人妻との背徳の憂いを描くでもなく、一線を引いているからこそ没入できる官能、刹那のストレスを発散するための官能に留めることでコミカルなテイストを滲み出させた作者の割り切りとメリハリの良さには最敬礼するしかない。 それは、ラジオ体操だけでは補い切れない幅の広さを持たせるために主人公には人生を一度失敗した「枯れ」の要素を盛り込みつつ、新たな就職先で出会った職場の紅一点な若きOLや、取引先のクール美女な社長秘書を加えることで別の面を見せていることからも裏付けられる。彼女達もまた表に出すのは憚られる悩みや秘密を抱えており、それを癒すかのように、あるいはその秘密から解放してあげるように主人公が心と体で関わっていく面が描かれているからである。 一人では解決できない問題を抱えたヒロイン達を主人公が発散させてあげるお話だと思えば微笑ましくもあり、割り切っているからこそ大胆に振る舞うヒロインも登場して官能成分が高まる好循環をも生んでいるような、そんな面白さもあったように感じた。 敢えて重箱の隅を突けば、スタンプ10個獲得の際は思わずニヤッとしてしまう「ご褒美」があったものの、20個獲得時は「いいことがある」としながら特に何もなく皆勤賞へと流れていったように見えた。「これがそうなのか?」と主人公が思う場面はあったのだが……。
DSK